2004年02月10日(火) 07時02分

薬害エイズ安部被告、善悪判断できず・鑑定結果（日経新聞）

　薬害エイズ事件の帝京大ルートで、業務上過失致死罪に問われ一審で無罪判決を受けた元同大副学長、安部英被告（87）の控訴審で、東京高裁（河辺義正裁判長）が嘱託した精神鑑定で「（現在は）安部被告は善悪を判断する能力がない」との結果が出たことが9日、明らかになった。

　同高裁は鑑定結果に基づき近く、公判手続きを停止するかどうかを決定するが、心神喪失の状態と判断されたことで、公判停止となり事実上終結する可能性が高まった。安部被告を巡っては、昨年11月に弁護団が「高齢による心神喪失状態にあり意思疎通ができない」などとして東京高裁に公判手続き停止を申し立て、同12月に同高裁が訴訟遂行能力を確認するための精神鑑定を行うことを決めていた。弁護団によると、安部被告は昨年4月以降、入退院を繰り返し、2002年11月に始まった控訴審にも一度も出廷しないまま。退院後の昨年9月には弁護団との打ち合わせもできない状態だったという。(07:02)

http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20040210AT1G0904Q09022004.html