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2004年02月01日(日) 03時09分

<e−Japan計画>吉田前議員系の2社下請け 自ら予算獲得毎日新聞

 経済産業省の01〜02年度IT関連委託事業に参画した下請け企業の中に、吉田幸弘・自民党前衆院議員(42)=昨年11月、愛知3区で落選=と極めて関係の深い2社が含まれていることが31日、毎日新聞の調べで分かった。2社は計7400万円を受注していた。吉田前議員は事業予算の獲得を国に働きかけていたとされ、下請け先にこの2社が入っていることは、国会議員による公金の私的な「利益誘導」との非難を浴びるのは必至だ。小泉政権が公益法人改革を進める中、国会でも問題になりそうだ。

 日本テクノ・ソリューション(JTS、東京都)とオー・アール・シー(名古屋市)の2社。

 J社は、同事業が始まる直前の01年4月に設立。代表取締役は、吉田前議員の資金管理団体「幸進会」の02年事務担当者で、吉田前議員が代表者の自民党愛知県第3選挙区支部の会計責任者でもある。

 オー社は90年2月、吉田前議員が代表取締役として設立。公設秘書だった妻と、父親が役員に就いており、02年10月には弟が代表取締役に就任した。吉田前議員も現在監査役。

 同事業は、経産省から公益法人「財団法人・イメージ情報科学研究所」(大阪市)にいったん発注。01年度は、同研究所が日本歯科医師会(日歯、東京都)に7900万円で外注。さらに日歯の下請けに入った歯科専門商社(大阪府吹田市)が、3900万円でJ社に下請けに出した。02年度は、同研究所が同商社に5000万円で外注。J社の役員が経営するコンピューター会社(大阪市)を経て、さらにオー社に3500万円で下請けされた。

 歯科医療分野ではIT化が遅れていたため、日歯はIT立国を目指した国の「e—Japan重点計画」関連の予算獲得を計画。日歯幹部によると、00年7〜8月ごろ、吉田前議員と相談し、経産省などへの陳情の際、複数回にわたって吉田前議員と同行したという。

 幹部は「事業は、黙っていて歯科医師会に降りてくるものではない。予算獲得の話は吉田氏がまとめてくれた」と話している。

 吉田前議員は現職当時のこうした行動について、毎日新聞の取材に文書で「結果として私と関係を有する両社が事業に参画することになったが、事業の円滑な推進のために必要と判断していただいたもので、私が要請して参画させたのではない。そのように誤解されているとすれば、私の不徳の致すところかもしれない」と答えている。

 吉田前議員は愛知学院大歯学部大学院修了。開業歯科医などを経て、96年に新進党から初当選。00年、自民党に移り、比例代表(東海ブロック)で再選。昨年の総選挙で民主党候補に敗れ落選した。今夏の参院選に立候補する動きを見せていたが、1月中旬、出馬を断念している。

◇ことば 資金管理団体

 政治資金規正法に基づき、政治家が自身への政治資金を取り扱うことを指定した政治団体。代表者は政治家本人が務める。

 政治家個人への企業・団体献金の受け皿だったが、93年に発覚した金丸信・元自民党副総裁の巨額脱税事件で、企業・団体献金の実態が明るみに出たことをきっかけに、規制が強化された。94年の同法改正で、政治家個人の資金管理団体は1人につき1団体に制限され、その代替措置として、年間約300億円の政党助成金制度が導入された。さらに00年からは企業・団体献金が禁止されている。

 しかし、政党の都道府県連や政党支部への企業・団体献金は認められているため、自分が支部長を務める政党支部で企業・団体献金を受け入れて資金を集めることができる。このため、結局はこの抜け道を使って個人の政治資金として流用するケースが急増しており、実態はさほど変わっていないとされる。

 収支報告書は毎年、翌年の3月末までに、資金管理団体の届け出選管などに提出しなければならない。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040201-00000074-mai-soci