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2004年01月28日(水) 07時21分

先物取引投資家、9割が申告せず 約380億円申告漏れ朝日新聞

 東京、大阪、名古屋の3国税局管内で、商品先物取引会社を通じた取引で利益を得た投資家のうち、約9割が適正な税務申告をしておらず、01年分だけで総額約380億円が申告漏れになる見込みであることが、国税当局の調査でわかった。01年の税法改正で、売買データの提出が先物会社に義務づけられたことが、発覚につながった。加算税を含む追徴税額は、3国税局合わせて80億円を超える見込みだ。

 所得税法では、株式投資の場合、証券会社が売却益の顧客への支払時に所得税分を天引きする「源泉徴収制度」がある。しかし、商品先物取引については客個人が確定申告しなければならない。国税局にはこれまで個別の売買結果の情報がなく、実態が把握できていなかった。

 しかし、01年4月から租税特別措置法が改正され、先物会社は顧客の氏名や住所、取引価格を記入した調書を税務署に提出することが義務づけられた。

 大阪国税局は、管内の近畿2府4県にある先物会社14社から提出された調書をもとに調査した。年間200万円超の多額の利益を得ていた投資家らに限ると、01年4月から12月までの9カ月間で、約900人が計約80億円の利益を受けていた。

 申告内容と調書を照合したところ、うち約800人が無申告か、過少申告だった。申告漏れの総額は約65億円に上り、追徴税額は無申告加算税などを含め15億円になるとみられる。約2億5000万円の利益がありながら、まったく申告していない人もいた。

 東京国税局では、約4000人が計約250億円の申告漏れをしていたと見られ、名古屋国税局でも約600人が計約65億円の申告漏れの見込み。国税当局は今後、02年分以降についても調査する方針。

 国税当局は「サラリーマンが副業的にやっているケースが多く、申告するという発想がなかったのではないか。多額の利益を得ているにもかかわらずまったく申告していなかった例も少なくない。厳しく対処したい」としている。

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◆商品先物取引

 将来の売買について事前に価格や数量を決め、約束の日が来た時点で、決済(売買)する取引。小豆、大豆、金、プラチナといった価格の変動する商品で扱われている。取引で得た利益にかかる所得税率は03年1月に20%から15%に軽減され、損失が出た場合は翌年以降3年間の所得からの繰り越し控除が認められている。(01/28 07:21)

http://www.asahi.com/national/update/0128/007.html