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2004年01月23日(金) 00時00分

ついに現職警官が逮捕/相次ぐ不祥事陳謝する村田利見・警務部長(右)と小藤銀一・主席監察官(左)=21日午後8時15分ごろ、県警本部で朝日新聞・

  インターネット上でひわいな画像を提供したとして、県警の現職警官が21日、わいせつ図画公然陳列の疑いで北海道警に逮捕された。県警では22日、所属幹部の緊急会議開催を決めるなど対応に追われた。しかし、県警の警官による不祥事は年末からのひと月で3件目。再発防止を誓っても繰り返される状況に、「市民が捜査に協力してくれなくなる」と不安を訴える捜査員もいる。

  県警監察課によると、同容疑で逮捕された県警本部鑑識課の大西祐司巡査長(40)は21日早朝、観音寺市八幡町の自宅から北海道警の捜査員に任意同行を求められ、勤務先の丸亀署前で逮捕された。署内にある大西巡査長の机なども、道警の捜索を受け、私物のパソコンなどが押収されたという。

  県警によると、現職警官が逮捕されたのは、98年8月、高松東署の駐在所勤務の巡査部長が短銃を持ち出したまま行方不明となり、3日後に県警に銃刀法違反容疑で逮捕されて以来。この年は、6月にも高松北署の交番勤務の巡査が、落とし物の財布から2万円を着服するなど不祥事が相次いだ。

  今回は、警察署が他の自治体の警察に捜索されるという異例の事態。21日夜会見した小藤銀一・首席監察官は、村田利見警務部長とともに深々と頭を下げて陳謝。「緊急の次長会議や本部長通達で意識改革を図り、組織の引き締める」という方針を明らかにした。「全警察職員のモラルが低下しているとは思っていない」と述べたが、表情は硬かった。

  続く不祥事に、やりきれない思いを抱いている警察官は多い。40歳代のある警部補は「情けなさと悔しさが入り交じった心境。(身内の事件を隠すような)昔の体質が残っているのかなと思うこともある」と話し、「市民の信頼が無くなれば、聞き込みなどに協力が得られなくなり、仕事が難しくなる」と唇をかんだ。

  また県警幹部の一人は「2件の不祥事が続いて組織を立て直そうとしていたのに。士気にも影響するだろう」と言葉少なだった。

  続発するもみ消しや犯罪は、巡査長や巡査部長、警部補など、比較的階級が低く一線で働く警官によるケースが多い。「日本警察の正体」(日本文芸社)などの著書があるジャーナリスト大谷昭宏さんは「警察は人事管理の面で大きな問題をかかえている」と指摘する。

  「うその報告やもみ消しは規律の問題で、警察としての誇りを失っているとも思える。巡査長などは、厳しいタテ社会の中で昇進できなかった中間世代の最たるもの。ただ締め付けるのではなく、心理的な把握やケアが必要なのではないか。内部に強力な監察機関がない中規模の県警は管理が難しい。四国4県を総合的に管理する人事監察組織が必要だろう」




ここ1カ月の県警不祥事
  

 ◆12月29日発覚

  高松北署刑事1課の警部補(47)が03年10月、知人女性の駐車違反を「捜査車両だった」とうその申告でもみ消したとして、犯人隠避容疑で監察課が捜査

 ◆1月10日発覚

  当時の県警機動警ら課長(59)が00年6月、パトカーと隊員が衝突した交通事故をうその報告書で労災事故として処理したとして、公文書偽造容疑で監察課が捜査

 ◆1月21日発表

  県警本部鑑識課の巡査長(40)が03年12月、インターネット上でわいせつな写真を提供したとして、わいせつ図画公然陳列容疑で北海道警が逮捕


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http://mytown.asahi.com/kagawa/news01.asp?kiji=6165