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2004年01月21日(水) 15時05分

<求人票>ネット公開で虚偽内容増える 高校教諭が発表毎日新聞

 インターネット上に求人票を公開できるようになった02年度以降、高校生向けに虚偽の内容を記載したり、少ない求人なのに多数の高校を募集の「指定校」として過度の競争を招くケースが増えている。神戸市立楠高校の牧秀一教諭(53)が、さいたま市などで24日から開かれる日教組の教育研究全国集会で発表する。

 進路指導担当の経験が長い牧教諭によると、インターネットの求人票の場合、記載されている選考方法や給与などの労働条件が実際と違うと抗議する生徒が増えたという。

 昨年9月、インターネットの求人で大阪市の飲食業チェーンを受験した生徒の場合、求人票に面接と適性検査と記載されていたのに、筆記試験があったうえ、面接は「遠方の人を優先するので約1週間後にする」と言い渡されたという。

 この生徒には結局、面接予定日の前に不採用通知が届いた。会社側は当初、「検査の結果、接客業に向かない」と説明し、12月になって面接をしなかったことを謝罪した。

 また東大阪市のマンション販売やリフォームの会社は、20人の求人に対し、全国941校を募集の「指定校」としてネットで流した。これまで「指定校」になれば、3倍程度の倍率で就職が可能だったため、学校関係者は「受けようとする生徒が増えて混乱してしまう」と心配する。02年には兵庫県内の病院の求人が100倍の競争率になった例もあった。

 大阪市の和裁会社は、入社から4年間、毎月5000〜2万5000円の「指導料」を給料から天引きすることを求人票に記載していなかった。このほか、インターネット上の求人数を当初の人数と変えないまま、採用試験を繰り返している企業も多いという。

 インターネット求人は企業側にとって、ほしい人材を全国から選べるメリットがあるが、牧教諭は「求人票に虚偽があったり、高校生に過度の競争を強いられると、生徒に受験を勧めにくい」と指摘。「企業の採用担当者との信頼関係で就職活動をしていたころは、こんなトラブルはほとんどなかった」と話している。【横井信洋】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040121-00001060-mai-soci