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2004年01月20日(火) 22時17分

<BSE>輸入牛784トンに感染危険部位混入の恐れ毎日新聞

 米国でBSE(牛海綿状脳症)の感染牛が見つかった問題で、感染の危険がある背骨が混入したとみられる米国産の牛肉と加工品が、昨年1月から784トン輸入されていたことが20日、厚生労働省の調べで分かった。同省は業者に販売自粛を指導するとともに、実際に消費された量を追跡調査している。

 同省食品安全部によると、昨年1月から輸入された約8万5000件について調査したところ、背骨が混入していた恐れがあるのは▽背骨付きのTボーンステーキが58トン▽液状スープ・牛脂などの1次加工品が153トン▽カプセルに入った健康食品など2次加工品が573トン(16日現在)。

 また、感染の危険がある子牛の脳が約40キロ輸入されていることが昨年末に判明したが、このうち31キロが既に消費されていたことも分かった。残り9キロは業者が焼却処分にしたという。

 牛の背骨の中にある神経(背根神経節)は、BSEの病原体である異常プリオンたんぱくの蓄積が確認されている部位のひとつ。EUは02年4月に食用から除外し、動物検疫の国際基準を設定するOIE(国際獣疫事務局)も同5月に規約を改正した。

 厚労省は昨年11月、BSE発生国の牛の背骨が付いた食肉の販売と、背骨を使った食品や添加物の製造を法的に禁止する方針を決めた。しかし、施行は来月中旬になるため、現段階では回収命令を出せず、販売自粛にとどまっている。

 同省食品安全部は「主要な汚染部位である脳やせき髄などはほとんど流通しておらず、人へのリスクはごくわずかと考えている」と話している。【須山勉】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040121-00000095-mai-soci