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2004年01月18日(日) 17時35分

移植ネットのコンピューターにミス 6人移植受けられず朝日新聞

 日本臓器移植ネットワーク(東京都港区)は18日、移植を希望している腎臓病患者6人が、コンピューターのプログラムミスで移植の機会を得られなかったと発表した。当人と関係医療機関には電話で謝罪し、今後役員が面会して謝罪する。移植ネットの野本亀久雄副理事長は「信頼を裏切り、申し訳ない」と語った。

 移植ネットでは、臓器提供者が出るたびに、登録者の中から移植を受ける患者をコンピューターで検索。居住地域や待機日数、白血球の型を示すHLAの一致度などをもとに患者を順位付けする。上位者から順に移植を受けるか打診する。

 長期間待機している患者も対象になるよう、腎臓では順位付けの基準が02年1月10日に改められ、HLAの一致度についての基準も緩和された。コンピューターのプログラムは変更に応じて更新されたが、HLAの一致度は従来のままで順位付けしていたという。

 基準改正後から現在まで130件の腎臓提供があり、そのうち心停止後の提供だった5件で問題が起きた。本来、移植を受ける候補者になるべき10人のうち6人が対象外に。6人は人工透析を受けており、全員生存しているという。残りの4人は移植を受けた。

 基準を緩和した結果、02年に腎臓移植を受けた患者の待機期間は平均14年と01年の7年半の2倍近くになり、長期間待っていた人にも移植の機会が広がったことを示している。

 今月5日時点で腎臓移植の待機患者は12609人。再発を防ぐため、当面はHLAの条件の入力の仕方を工夫して対応する。野本副理事長は「信頼を失う行為に恥じるのみだ。二度と起こらないよう機能をチェックし、信頼の回復に努めたい」と話した。

(01/18 17:01)

http://www.asahi.com/science/update/0118/003.html