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2004年01月16日(金) 00時00分

北銀、オレオレ被害2065万円防ぐ朝日新聞・

  子や孫になりすまし、高齢者から現金をだまし取る「オレオレ詐欺」。北陸銀行(富山市)は本・支店の窓口で詐欺を見抜き、被害を防ぐ取り組みに力を入れている。振り込み寸前に中止させたのは16件、計2065万円に達した。ヤミ金融やオレオレ詐欺などに不正利用される疑いのある預金口座についても、60口座を強制解約した。(佐藤亜季)

  【事例1】孫と名乗る者から送金を依頼された70代の女性が、105万円を振り込みに来た。振込先の支店名が違っていたため、入力できず、支店名の確認のため一度帰ってもらった。

  支店はその間、振込先の口座をオレオレ詐欺に利用された口座と照合。数日前に他支店で防いだ口座と一致し、女性に話して被害を防いだ。

  【事例2】孫と名乗る者から送金を依頼された高齢夫婦が郵便局の定期を解約。支店の現金自動出入機(ATM)で300万円を入金しようとした。操作がわからず行員が呼ばれたが、行員は詐欺の疑いがあるから入金しないように説得した。

  夫婦の意思は固かったが、「孫だというなら名前を聞いてみては」と夫婦が教えられた携帯電話にかけてもらった。相手が答えられなかったため夫婦も詐欺だと認識。夫婦はその金を同行の定期預金にしたという。

  北銀は昨年6月、被害が全国的に急増しているのを受け、不正口座の強制解約に本格的に乗り出した。県警出身の〓内生蔵(うち・う・ぞう)正秀・経営管理部管理担当部長を中心に部を横断した体制を整えた。県警とも連携している。

  オレオレ詐欺についても被害防止に向け、研修などで行員の意識を高めた。昨年12月には、事例と対応のポイントをビデオにまとめた。

  被害を防いだのは、県内が11件1180万円、県外では北海道が2件315万円、石川県が1件70万円、福井県が1件300万円、東京都が1件200万円。

  同行によると、振込用紙への記入が煩わしいという高齢者が多く、本人が窓口に多額の振り込みに来ることは珍しい。その上、振込先の口座名が孫の名前と違うカタカナだったり、都市銀行に振り込んだりする場合、詐欺だと疑う。

  疑わしい場合は、行員が一声かけ事情を聞く。間違いないと判断すれば上司に報告し、事例紹介や新聞記事を見せるなどして、詐欺でないかどうか相手の確認をするように促す。

  自宅に出向いたり、警察を呼んだりして説得することもある。

  内生蔵部長は「お客様が振り込みたいというのなら、銀行とすれば手続きさえすれば済む。しかし、被害に遭うと分かっているお客様を放ってはおけない」と語る。

  一方、強制解約した60口座は、東京が18件、北海道が17件で、県内は7件だった。内訳では、架空請求して金をだまし取るための口座が19件と最も多かった。次いで、口座名義人がインターネットなどを通じて預金口座を売却する「口座売却」が12件。口座売却は、当初は本人が開設しても本人の意思とは関係なく使われているため、悪用される可能性がある。オレオレ詐欺は8件だった。

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http://mytown.asahi.com/toyama/news02.asp?kiji=4170