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2004年01月16日(金) 09時00分

「サイバー戦争、2005年には現実化の可能性」:ガートナー報告CNET Japan

 アナリストの分析によれば、発電所や鉄道、銀行などの金融機関等でのIP技術の利用が広がっていることから、2005年にはサイバー戦争が現実のものとなるという。

 サイバー戦争やサイバーテロ攻撃が実際に起きた例はまだ存在しないが、起こる可能性はある。市場調査会社Gartnerが14日発表した報告によると、世界のネットワークがますます発達したことで、サイバー戦争やサイバーテロが実現しやすくなっているという。

 同社が発表した報告書「Cyberwarfare: VoIP and convergence increases vulnerability」(「サイバー戦争:VoIPやデータと音声の統合で脆弱性高まる」)によると、VoIPなどの技術や、音声とデータを統合しようというトレンドには、企業にとってコストと柔軟性の面でのメリットがある。しかし一方で、極めて重要な通信ネットワークを、ワームやウイルスといった伝統的なインターネット攻撃にさらすことにもなるという。

 「ネットワークがますます発達した世界では、サイバー戦争が行なわれる可能性が高い。VoIPや統合ネットワークを利用して重要なインフラを制御するケースがますます増えれば、攻撃が起きる可能性はそれだけ高まる」と、同報告書には記されている。

 Gartnerによると、VoIPネットワークは従来の回線交換ネットワークとは異なり、レイテンシ(データの待ち時間)に対する弱点を本質的に抱えているという。音声トラフィックを運ぶパケットが少しでも遅れれば、通信障害が生じてしまう。大規模なDoS攻撃によって、「ある目的地への音声パケットの到達が遅れ、音声通話のパフォーマンスが低下」し、音声通信が事実上絶たれてしまうおそれがある、と同報告書には記されている。

 Gartnerの報告書ではこの他にも、世界中のダムや鉄道、電力網、発電所などの重要なインフラ要素の接続に使用されている、Supervisory Control and Data Acquisition (SCADA)インターフェースの脆弱性も指摘されている。SCADAインターフェースは、IP技術の台頭によって脆弱性がますます高まっている。

 SCADAインターフェースはもともと、回路交換ネットワークで接続していたため、電話システムを操作するハッカーからの攻撃--改造によって不正に無料通話をかけるフリーキングや、ダイアルアップを繰り返して非公開ダイアルアップ回線を探すウォーダイアリングなど--に対して脆弱なだけだった。だが、こうした機器はダイアルアップから常時接続のIPネットワーク接続にますます移行しており、ポートスキャンニングなどの技術を利用した攻撃が生じる恐れが高まっている、とGartnerは主張している。

 Gartnerでは、IPネットワークの利用普及にともなうリスクに対処するために、企業が「時々、長期に及ぶ故障が生じることを前提に」音声・データネットワークを開発し、他の通信方法も検討しつつ、サイバー戦争の危険に関する政府の警告に注意を払うようアドバイスしている。 

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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