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2004年01月12日(月) 03時08分

東京ゼネラル、情報労連への巨額債務を簿外管理読売新聞

 商品先物取引大手「東京ゼネラル」(本社・福岡市)が、資金運用を委託された情報産業労働組合連合会(東京都千代田区、情報労連)に対して負う389億円の巨額債務を簿外で管理していたことが11日、分かった。

 同社の飯田克己会長(65)個人が債務返済の連帯保証人となっているが、現在も約230億円が残ったままとなっている。同社は、東京工業品取引所などから取引停止の措置を受けて、事実上破たん状態にあり、情報労連に回収のめどは立っていない。

 情報労連は1993年、傘下のNTT労組組合員らが加入する年金共済の保険料約300億円を加入者に無断で解約し、東京ゼネラルに運用を委託した。契約は、同社が98年まで資金を年利5・5—5・0%で運用し、元利とも保証するという内容だった。

 関係者によると、この運用によって、情報労連は元利合わせて389億円を受け取る予定だったが、98年に情報労連に返済されたのは約85億円に過ぎなかった。同社は情報労連に「運用利益分だけ返済する。元本は再運用したい」と説明した。

 これに対し、情報労連は契約の履行を強く要求。その結果、東京ゼネラルと当時社長だった飯田会長は98年11月、同社が情報労連に元利合わせて389億円の債務を負うとする「債務承認及び確認書」を、情報労連と取り交わした。

 確認書では、飯田会長個人が東京ゼネラルの連帯保証人となり、同社と飯田会長がそれぞれ保有するグループ会社の株式や米ハワイのホテルなどの資産を債務返済に充てることも取り決められた。そのうえで、同社は、2003年までに情報労連に全額返済する計画を示したが、その後の返済は75億円程度にとどまり昨年夏にはストップした。

 この巨額債務について、同社では一部の幹部だけが情報労連との交渉にあたっていたほか、財務諸表に明示せずに、投資家向けの年次報告書でも明らかにしていなかった。

 巨額の簿外債務について、東京ゼネラル総務部は読売新聞の取材に対し、「債務の事実は会社として把握しておらず、分からない」と説明。飯田会長にも同社を通じて質問したが、回答はなかった。

 情報労連の年金共済保険料の無断解約は2000年12月に発覚。情報労連は、共済業務を委託した関連団体の電通共済生協が、東邦生命(破たん)に積み立てていた保険料を勝手に解約したとして責任を追及し、同生協の理事長ら幹部が引責辞任している。

 一方、東京ゼネラルは、顧客からの預かり金を分離保管せず、財務内容を偽って監督官庁の農水、経済産業両省などに報告していたことが判明。東京地検特捜部が昨年11月、有印私文書偽造、商品取引所法違反(虚偽報告)などの容疑で本社などを捜索した。

 農水、経産両省は今月6日、同社の許可を13日付で取り消すことを発表。これを受け、東京工業品取引所などが取引停止としたため、同社は全社員に解雇通知を出すなど、破たん状態に陥っている。

 ◆簿外債務=会社の帳簿に書き込まず、財務諸表にも記されない債務。業績を良く見せかけるため、経理操作して隠すケースが多い。企業会計原則では、不当な会計処理として認められていない。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040112-00000201-yom-soci