悪のニュース記事

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2004年01月12日(月) 11時55分

春秋日経新聞

 旅行用の洗面用具入れにいつも入れおく小さな缶切りのセットが空港のチェックで見つかって預かられ、到着地で受け取る羽目になった。テロばかりでなく、BSEにSARSと、暮らしを取り巻くリスクへの不安が再び高まっている。

▼電子技術で人やモノの履歴を表示したり認証したりする仕組みが急速に広がっているのは、そうした背景もあろう。先週から神奈川県で実用化への実験が始まったICタグ(電子荷札)付き野菜の販売では、産地や出荷日はもちろん、流通経路や使われた農薬までが瞬時にわかる。問題が起きればすぐ追跡が可能だ。

▼日本航空システムは成田空港などで眼球の虹彩と顔画像で本人確認して搭乗する実験を始めた。米国は長期滞在する外国人の入国に際し、空港で指紋と顔写真を撮影して犯罪者リストなどと照合する仕組みをスタートさせたが、「人権無視」と怒ったブラジルが米国人だけに同様の対抗措置をとる騒ぎに広がった。

▼米国のBSE問題で外食産業が看板商品の牛丼から新メニューへの転換を進めるなど、企業のリスクへの対応は厳しさを増す。グローバルな環境にさらされる個人の安全や財産を守るために情報技術が活躍する場はさらに広がりそうだが、個人情報や人権などを巡る新たな問題のコンセンサス作りも迫られている。

http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20040112MS3M1200G12012004.html