2004年01月12日(月) 10時49分

日本向け農産物、タイが輸出前の自国検査要求へ（読売新聞）

　【シンガポール＝深沢淳一】２月上旬にスタートする日本とタイの自由貿易協定（ＦＴＡ）締結を巡る政府間交渉で、タイ側は日本が輸入の際に定めている食品や農産物の安全検査を、タイの機関が輸出前に行えるよう求める方針であることが１０日、明らかになった。鶏肉、砂糖、でんぷんなど個別農産物の自由化と共に、交渉の争点になりそうだ。

　東南アジアなどの農業輸出国は、日本に対し、「食品や農産物の安全基準が厳しい上、検査に時間がかかりすぎることが輸出を妨げている」との不満が強い。

　タイは今後のＦＴＡ交渉で、貿易手続きを円滑化して輸出促進を図るため、日本の安全基準に適した農産物かどうかをタイで事前検査し、パスした品目は日本の検査を免除するよう求める方針だ。

　輸入国側で必要な安全や品質検査などを輸出国側で事前に行う制度は「相互承認」と言う。日本は既に欧州連合（ＥＵ）やシンガポールと家電製品などに導入している。

　ただ、農産物には前例がなく、タイ側の検査能力も不明確なため、日本は要求を拒否する方針だ。日本は、タイの品質などの検査能力アップにつながる技術協力を強化することで決着させたい考えだ。（読売新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040112-00000402-yom-bus_all