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2004年01月10日(土) 00時00分

野菜の履歴をネットで提供 県、JAなどカタログ作成 東京新聞

 JA県中央会と県などは、農産物の生産履歴などを公開する「いばらき農産物ネットカタログ」(http://ibrk.jp)の運営を始めた。無登録農薬の使用などで失った信頼を取り戻そうと、生産者の記帳を基に消費者に情報を提供。県内のスーパーでも試験的に公開し、買い物客から好評を得ている。 (小林 孝一郎)

 茨城県は全国でも有数の農業県で、二〇〇二年の農業産出額は全国三位の約四千百六十一億円。ただ、食品にかかわる問題の影響を受けやすく、〇一年は牛海綿状脳症(BSE)の影響で全国四位に。〇二年は無登録農薬の使用が県内でも大きな波紋を広げた。

 全国的にも生産地を偽るなどの問題がしばしば起きているが、中央会と県は一昨年から、トレーサビリティ(生産履歴記帳運動)に取り組み始めた。県内で記帳の様式を統一し、農協や任意組合へ浸透を図っている。

 記帳運動の成果を発信する場として、昨年十月下旬にネットカタログを始めた。消費者に安全・安心をPRするため、登録には記帳のチェックや管理などの基準を設定。現在、約二十団体が農薬使用などの栽培履歴、産地、生産者情報を公開しており、三年間で三百団体以上の参加を期待している。

 発信だけではなく、消費者の声も拾う。県内のスーパー「カスミ」二店舗では、野菜売り場に「育ちのわかる野菜達」コーナーを設置し、ネットカタログから抜き出したJAなめがたの情報を公開。県農業研究所が利用者にアンケートを実施し、反映していく。

 カスミ水戸見川店では、モニターの周囲に約十種類の野菜が並ぶ。ラベルの数字を打ち込むと、野菜の情報が見られる仕組みだ。水戸市の主婦(52)は「農協に直接買いに行くことも多いけど、これならスーパーで買うのも安心ね」と話した。

 県は本年度、生産者の取り組みや提案を支援する「生産現場提案型」農政へ転換した。生産者には危機感をあおり、意識改革も求めている。ネットカタログはこうした改革の一環で、出発点でもある。

 JA県中央会は「目標は県の農産物の評価向上。消費者の信頼を取り戻し、生産者に自信と誇りを持ってもらいたい。記帳をしっかりやることが大事なので、地道にやっていく」と気合を入れている。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/ibg/20040110/lcl_____ibg_____000.shtml