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2004年01月06日(火) 00時00分

牛丼が来月消える?豪州産高騰で“高根の花”大手チェーンの在庫は2月半ばにカラにZAKZAK


米国のBSE問題を受け、店頭のはり紙で安全性をアピールする吉野家=東京・神田 来月、牛丼が消えるかモー? 米ワシントン州でBSE(牛海綿状脳症、狂牛病)感染の牛が見つかった問題は、サラリーマンの財布も直撃しそうなほど深刻化している。米国産牛肉の輸入禁止で、「吉野家」「松屋」など大手チェーンの在庫は、早ければ2月中旬にもカラになる見込みだ。加えて代替需要が集中する豪州産牛肉は、卸値で40%も急騰するダブルパンチ。各社は豚や鳥の代替メニューで急場をしのぐが、お寒い懐を支えてくれた牛丼は、“高根の花”になりそうだ。

 【2月中旬にも払底】

 吉野家ディー・アンド・シー、松屋フーズ、「すき家」を展開するゼンショーなどの大手各社の牛肉の在庫は、2月中旬にもなくなることが確実だという。

 980店を展開する吉野家は、牛肉に使うバラ肉の在庫が1000トンほど。対応策として昨年末には約2割の店舗で24時間営業を中止しているが、在庫ゼロへのカウントダウンは変わらない。

 各社とも売り上げが予想よりも落ちていないという。吉野家で10−15%減、松屋も5%減にとどまっている。極端な売り上げ減を下支えしているのが、「今のうちに食べておこう」という駆け込み需要のようだ。

 こうした消費者マインドは、在庫の払底を早める“もろ刃の剣”となっている。

 【代替品を模索】

 各社は牛丼に替わるメニューを発表し、売り上げの減少に歯止めをかけようと躍起である。

 自信の新メニューは、吉野家=カレー丼と焼き鳥丼を順次発売▽松屋=ビーフカレーをチキンカレーに変更▽なか卯=ブタ角煮丼を発売予定▽すき家=鳥そぼろ丼を発売▽神戸らんぷ亭=ポークカレーを発売−など。

 亀井善之農水相は6日の閣議後の会見で、「牛肉がこういう事態になれば、豚肉・鶏肉などへの企業努力は必要だ。それぞれが企業努力されるだろう」と語り、メニュー変更が順次広がるとの見通しを示した。

 立脚できない「へたり牛」の食用全面禁止を含めた米国の追加安全対策には、「国民が安心できるに達していない」との認識を示した。

 【豪州産は高騰】

 米国産牛肉の輸入禁止に伴い、豪州産牛肉の卸値が高騰している。

 昨5日の東京地区の指標品(冷蔵)は、1キロ950円と輸入禁止前と比較すると270円(約40%)も高くなった。

 1月積みの対日輸出価格も1ポンド3ドル前後(運賃・保険料込み)と、昨年11月に比べて50%も上昇している。

 【監視を強化】

 農水省は5日から牛肉の原産地表示を監視する態勢を強化した。主な対象は、スーパーや百貨店などの大手小売店で偽装表示がないかを調べる。

 違反業者は日本農林規格(JAS)法に基づき、業者名を公表するほか、改善命令に従わない場合は刑事告発し、最高1億円の罰金を科す。

 【職員を現地派遣】

 農水省は7日、日本への牛肉の主要輸出国であるオーストラリアとニュージーランドに職員2人を派遣し、牛肉輸出の拡大が短期間で可能かどうかを調査する。

 米国産牛肉の輸入禁止で国内消費量の約3割相当分(平成14年度は24万トン)が供給されなくなったためだ。日本は14年度に豪から26万トン、ニュージーランドから1万トンの牛肉を輸入している。

ZAKZAK 2004/01/06

http://www.zakzak.co.jp/top/t-2004_01/1t2004010616.html