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2004年01月06日(火) 10時29分

投薬ミス防止に医薬品にバーコード 厚労省指導へ朝日新聞

 医療事故の15%を占めるとされる薬剤投与ミスを防ぐため、医薬品にも名前や成分量などを表示するバーコードが導入されることになった。厚生労働省が製薬会社に指導する方針を固めた。04年度に専門家や業界代表らによる検討会を設置し、具体策を討議する。米国が導入に向け動き出し、日本国内の業界団体も準備を進めており、注射薬などは05年夏から実施されそうだ。

 対象は医療用医薬品。薬品名や成分量の情報をバーコード化し、点滴バッグや注射薬のアンプルなど、容器ごとに表示する。医師の処方はコンピューターに入力し、患者の腕にも患者認識バーコードを付ける。薬品の投与前に、薬品のバーコードと患者認識バーコードを読み取り機で照合すれば、処方通りか確認でき、間違いを防ぐという。

 これまでも看護師らが投与薬を読み上げたり、指さし確認をしたりしているが、処方より10倍も濃度の高い薬が点滴されたり、似た名前の別の薬が投与されたりするミスが後を絶たない。こうした確認漏れや単純な人為ミスは、バーコードによって機械的にはじかれると期待される。製造番号や有効期限などの情報掲載は今後、検討する。

 業界側も準備を始めている。製薬関係35団体でつくる日本製薬団体連合会は、血液製剤などの細かい販売記録を保存するよう改正薬事法で義務化され、バーコードの導入を検討し始めた。これを契機に、注射薬にも05年夏からバーコードを付ける方向で動いている。

 同会の担当者は「注射薬を間違えると重大な事故に結びつく。まず注射薬から取り組み、医療用医薬品全体に広げたい」としている。

 課題は、病院側がバーコード読み取り機を購入し、患者の腕に付ける認識バーコードも導入しなければならない点だ。薬剤処方をコンピューター管理するシステムも構築する必要がある。1病棟あたり約500万円が必要との試算もあり、検討会では設備投資の試算もしながら、病院側へも働きかける考えだ。

 02年度に厚労省へ報告された国立病院での医療事故は124件。うち18件(14.5%)が薬剤投与に関連していた。

 バーコード表示は米食品医薬品局(FDA)が03年3月に義務化案を公表、07年ごろの施行を目指して検討中だ。FDAは、導入によって、今後20年間に計41万件の投与ミスを防ぎ、ミス後の治療にかかる余分な医療費計414億ドル(約4兆4000億円)を節約できる、と試算している。(01/05 23:54)

http://www.asahi.com/national/update/0106/007.html