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2004年01月04日(日) 12時00分

政権公約なのに独禁法改正波高し 財界・自民、反対一色朝日新聞

 公正取引委員会が進めている独占禁止法改正作業が難航している。12月24日には、違反行為に対する課徴金の大幅引き上げなどを柱とする改正案の骨格「基本的な考え方」も公表した。しかし、規制強化に対する経済界の反発に加え、「政権公約」に独禁法強化を盛り込んだはずの自民党も反対一色だ。公取委が目指す来年の通常国会提出には暗雲がたれこめている。

 77年以来となる今回の抜本改正を公取委は「競争政策の強化を通じ構造改革を進める」と「小泉改革」の主要な柱であると位置づける。12月24日に会見した竹島一彦公取委委員長も「競争なくして成長なし」と小泉首相ばりのキャッチフレーズで必要性を訴えた。

 改正の柱は三つ。一つは課徴金引き上げ。現行は売上高の6%だが、3倍程度に引き上げる方針だ。今回は違反への制裁との考えを打ち出し、従来の「不当利得の没収」という方針を転換した。一方で「自首」した業者への課徴金を減免。違反行為の情報提供を促す「措置減免制度」を導入する。また独占・寡占規制については、電気、ガス、通信など公益事業での新規参入を阻む動きに対する取り締まりを強化する方針だ。

 しかし法案の調整作業は順調とは言い難い。独占・寡占規制の強化は、それぞれの事業を所管する経済産業省や総務省、国土交通省との協議が必要だ。しかし「公取委が何をやろうとしているのかさっぱりわからない」(関係省庁幹部)と疑心暗鬼を深めている。

 経済界は経済同友会が措置減免制度の導入に賛成するなど、一部には好意的な意見もある。しかし「違反事業者にはすでに課徴金以外にも多くの制裁措置が科されており、課徴金を引き上げるべきではない」(全国建設業協会)「不当利得の剥奪(はくだつ)を超えた課徴金は制裁で、憲法の二重処罰禁止に抵触する」(日本経団連)と、厳しい意見が相次いでいる。

 自民党も難関だ。同党の独禁法調査会は12月18、22の両日に会合を持ったが「景気の悪い時期になぜ改正するのか」「課徴金を引き上げると地方の中小業者はつぶれる」と反対論一色に染まった。同調査会の山中貞則会長も「みんな独禁法そのものに反対している」と半ばあきれ顔。通常国会への法案提出の見通しには明言を避けた。(01/04 12:00)

http://www.asahi.com/business/update/0104/004.html