悪のニュース記事

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2004年01月04日(日) 00時00分

ことしは、昨年につづき、政治が問われそうだ。政治をくらしか… 東京新聞

 ことしは、昨年につづき、政治が問われそうだ。政治をくらしから見ていた人物に「暮しの手帖」の編者だった故花森安治氏がいる。最近見直され、雑誌の保存版も出た。彼が愛されたのは、みんなが天を見上げているときでも、しっかりと足元を見ていたことだ▼たとえば「年ごとに便利になるというのはウソである」と言う。なぜなら「何年かたつと、月に行けるようになるらしいけれど…ぼくたちの暮しには、どうということはない。しかし、年ごとに消防自動車の速度が落ちるのは非常に困る」(「一〓五厘の旗」)▼だれが読んでもすとんと腹に落ちる。独特のおかっぱ頭でも知られた。庶民は好奇心旺盛で、だから本質的にいつも若者であると論じていた。ねずみ色の背広しか着ないサラリーマン風俗がきらいだった。自ら不自由になってゆく社会をおそれた▼民主主義を述べた文がある。「民主主義の<民>は 庶民の民だ ぼくらの暮しを なによりも第一にするということだ ぼくらの暮しと 企業の利益とが ぶつかったら 企業を倒す ぼくらの暮しと 政府の考え方が ぶつかったら 政府を倒す…それが ほんとうの<民主主義>だ」(同)▼言葉は激しく聞こえるが、国民のくらしあっての企業、国家なのだから、当然のことを平易に言っているにすぎない。足元をしっかりと見ているにすぎない▼花森氏の「暮しの手帖」は、企業広告を載せず、商品テストを掲載した。公平で厳しい目は庶民のためだった。今は庶民が厳しく「政治テスト」をせねばならない。

(〓は、銭の金偏なし)


http://www.tokyo-np.co.jp/00/hissen/20040104/col_____hissen__000.shtml