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2003年12月03日(水) 14時23分

上役が問題の社内HP掲載を了承 トヨタの試験漏洩朝日新聞

 トヨタ自動車の系列販売会社に1級小型自動車整備士技能検定の筆記試験の一部が事前に漏れていた問題で、出題を審査する「検定専門委員」を務めた同社本社のマネジャー(課長)が試験問題を上役にあたる室長に渡し、この室長が試験問題であることを知った上で、系列販売会社専用の社内ホームページ(HP)への掲載を了承、担当の室員が実行したことが3日、同社の社内調査などで分かった。試験問題の漏洩(ろうえい)に関与したトヨタ社員は計3人になった。

 国交省はトヨタにさらに詳しい調査を求めるとともに、「問題の管理がずさんだった」などとして、マネジャーを検定専門委員から解任する。

 この漏洩を巡り、同社の張富士夫社長は3日午前、石原国交相に電話で社内調査の途中経過を報告し、謝罪した。

 トヨタや国交省の調査などによると、検定専門委員を務めたトヨタ・サービス部のマネジャー(42)は10月ごろ、同省から専門分野の問題38問の検討を依頼され、試験問題を入手した。これを社員研修などを担当する技術人材開発室長(51)に電子メールで送った。その理由についてマネジャーは「高度な知識が必要なので、試験問題の是非について意見を聞こうと思った」と説明しているという。

 室長は試験問題を、販売会社専用のHPを担当する室員(33)に渡し、HPへの掲載を了承。室員は11月7日に、別の99問とともに「練習問題」として掲載した。試験問題には「*」がつき、「十分注意するように」との記載も添えられていたという。HPは試験直後に削除された。

 室長と室員は試験問題と知っていてHPに掲載したことを認めているという。社内調査に対し、2人は明確な動機を説明していないが、同社は「一人でも多くの合格者を出したかったのではないか」と説明している。

 検定専門委員のマネジャーはHPの記載について、「まったく知らなかった」と関与を否定しているという。

 同社には308の販売会社があるが、うち約240社がHPを閲覧した。販売会社に所属する約3400人が11月30日の筆記試験を受験しており、トヨタは「事前に問題を知っていた受験者には合格を辞退していただくようお願いする」としている。

 整備士試験の問題は国交省が作成し、25人の検定専門委員が審査する。同委員は自動車メーカー12社から推薦された12人と学識経験者、整備士で構成されている。国交省は、他の自動車メーカーでも問題が漏れていないか調べる。(12/03 12:55)

http://www.asahi.com/national/update/1203/017.html