2003年11月18日(火) 00時00分

市へ損害賠償求める 女児と母親が提訴 （東京新聞）

　市原市の小学五年の女児（１１）が今年五月、校舎三階の窓から飛び降り重傷を負ったのは、担任の男性教諭が厳しくしかったためなどとして女児と母親が十七日までに、同市に慰謝料など三百万円の損害賠償を求める訴訟を千葉地裁に起こした。

　訴状によると、教諭は保護者に記入してもらう書類を女児が期限までに提出しなかったことに立腹。五月一、二の両日、約三十分−一時間にわたり、クラスの児童の前で「何で持ってこなかった」「家に取りに行け」などと怒鳴りつけ、女児の机をけるなどした。さらに「おれが一番嫌いなのはお前だ」などとののしった。

　同六日、女児はやはり書類を準備できず、教室近くの三階トイレの窓から飛び降りた。女児は左肺挫傷や右足骨折などの重傷を負い七月末まで入院。九月から通学している。女児の両親はフィリピン国籍で日本語の読み書きが苦手なため、書類を用意できなかった。

　この教諭は、これまでにも別の児童の指導をめぐり訓告と厳重注意処分を受けていた。現在は担任を外れ学外で研修中で、県教委が処分を検討中。訴状は、同市が男性教諭の人権侵害行為を改めるよう指導監督しなかったとしている。

　同市は「訴状を確認していないので何とも言えない」としている。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/cba/20031118/lcl_____cba_____004.shtml