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2003年10月01日(水) 00時00分

新幹線「品川駅開業」、飛行機と出張族争奪戦航空各社、「コスト削減」を2万社にアピールZAKZAK


新駅開業で、新幹線ホームには早朝から、多くの鉄道ファンがつめかけた=1日午前6時55分、JR品川駅 新幹線vs飛行機が全面戦争−。東海道新幹線で、15年ぶりの新駅となる品川駅が1日、開業した。出張族には時間短縮など利便性が増し、航空会社に押されてきたJR側は、巻き返しの切り札として期待。これに対し、航空会社は対抗意識を燃やし、新幹線との差別化に躍起となっている。空と陸による“出張族争奪戦”は、どちらに軍配が上がるのか。

 【余裕のJR】

 「航空会社との競争ではなく、サービスをいかに磨くかということ。結果、利便性向上から、利用者が伸びることになるかもしれませんが」とはJR東海・東京広報室。

 品川駅開業に伴い、東海道新幹線は、最高速度を時速220キロから270キロに高速化。のぞみが1時間で最大7本発車するなど、のぞみ中心のダイヤ編成となる。

 品川−大阪間は、最速2時間26分。特に品川近辺の利用者は、東京駅からの新幹線利用に比べ、利便性が格段に増す。

 同社は「東京駅利用者20万人のうち3分の1が品川を利用」と見積もり、「品川駅が定着すれば、利用者は伸びる。今のところ対前年比で若干マイナスの売り上げも今年下期は対前年並みを見込んでいる」と話す。

 【対抗する航空会社】

 東京−大阪間のJRとの旅客数シェアを、この10年で8対2→7対3とした航空各社は品川駅開業に対し、運賃値下げ、マイレージポイント2倍など先手必勝で対応策を打ち出してきた。

 日本航空グループ(JAL)、全日空(ANA)は、東京−大阪間のシャトル往復運賃を1万3700円(▲800円)に。のぞみの直通便増加に対応し、4回利用回数券を岡山15000円(▲4700円)、広島17000円(▲2950円)とした。

 新幹線回数券より、50〜640円安い価格は「新幹線の運賃を意識したもの」(JAL)だ。

 『のぞみへ。先に、行ってるね』と書かれた駅の伝言板風チラシを“決戦地”品川駅で配るなど、対抗意識の強いJALは「空港アクセスも便利になったし、羽田からなら、大阪まで1時間。時間勝負のビジネス客は大きなターゲット。当初は(新駅の)物珍しさもあろうが、長期的にはシェアが大きく変わるとはみていない」と強気だ。

 ANAも「意外に飛行機って、運賃も時間もいい、と気付いてもらえるチャンス」と争奪戦に参戦。「出張コスト削減のご提案」なるパンフレットを持参し、約2万の企業向けに「足で稼ぐ」大セールスを展開する。

 大阪への出張の比較をパンフに掲載し、のぞみに比べ、運賃の安さ(2980円差)や、1時間20分短縮をうたい、出張族の獲得を目指す。「潜在需要喚起の好機」とANAの言葉も熱い。

 【頭抱える企業も…】

 品川駅開業を機に、のぞみ指定席の値段は、670円下げの1万4050円となるが、回数券単価は実質1080円“値上がり”し、頭を抱える企業も…。

 このカラクリは、のぞみ、ひかりにそれぞれあった“単独用”回数券が廃止となり、両方使える回数券に一本化され、新発売されることにある。

 多くの企業は、出張する社員に、ひかりの回数券を供用してきたため、“値上げ”は、そのまま企業の負担に直結することになる。

 年間に延べ何万回もの出張がある企業では、その負担が数千万円単位に上ることが予想され、出張を控えるなどの動きを見せる企業もある。

 JR東海は「これまでののぞみだけの回数券より、1枚1270円の大幅値下げだし、時間短縮の経済効果とみてほしい」とし、「ひかりとのぞみの差額で自腹を切る人もいたが、のぞみ利用を認める企業も増え、実際に乗る出張族の方には喜ばしいこと」と話す。

 さて、熾烈な争いの火ぶたが切って落とされた“陸と空の戦争”。出張族のみなさんは、どちらの味方?

ZAKZAK 2003/10/01

http://www.zakzak.co.jp/top/t-2003_10/1t2003100101.html