2003年08月30日(土) 19時24分

「オレオレ詐欺」防ぐ　機転で８０歳女性の７５万円−−信金職員・稲田さん　／千葉（毎日新聞）

　◇木更津
　お年寄りを狙った「オレオレ詐欺」を、信用金庫窓口のベテラン職員の機転で未然に防いだ。お手柄の職員は木更津市高砂の千葉信用金庫岩根支店（青木保之支店長）の為替・送金係、稲田知栄子さん（５１）。
　２５日午前１０時ごろ、同市久津間に住む８０歳のおばあさんが同支店を訪れ、ＡＴＭ（現金自動受払機）の前でそわそわしていた。稲田さんが声を掛けると、走り書きしたメモを手に「孫が東京の渋谷で交通事故を起こしたので、７５万円を振り込みたい。孫の親には知らせないで」と話した。
　不審に思った稲田さんが「オレオレ詐欺では」と青木支店長に相談。おばあさんのメモにあった連絡先の携帯電話に電話をし、相手の所在地を尋ねると、「泣き声」しか返ってこなかった。間もなく、おばあさんが支店の電話で本物の孫に連絡を取り、事故もなく、電話もしていないことが確認された。おばあさんは「トラの子」を間一髪、だまし取られずに済んだ。
　稲田さんは「送金を未然に防げてよかった。新聞でオレオレ詐欺の記事を丹念に読んでいたので手口がそっくりだと思った。おばあさんに感謝されてうれしい」と胸をなで下ろしていた。容疑者は２９日現在、逮捕されていないという。【児玉賢二】（毎日新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030830-00000005-mai-l12