2003年08月28日(木) 21時48分

一人一人の力…暴力団と８年間闘い勝利−−江川町住民に「通行地役権」　／長崎（毎日新聞）

　◇「一人一人の力小さいが関係機関と協力し結実」
　長崎市江川町の住民らが暴力団とも闘い、所有権がなくても私道を通行することができる権利「通行地役（つうこうちえき）権」を８年かけて勝ち取った。住民報告会が２６日、同市柳田町の土井首公民館であり、喜びをかみしめた。
　福岡高裁に提訴していた民事訴訟で、私道の所有者に住民側が１００万円支払うことで和解が成立した。
　報告会には訴訟に参加した９７世帯から５２世帯、５６人が参加。弁護士らから経過報告や通行地役権の登記の説明を受けた。
　この問題は、暴力団幹部が９５年、生活道路として使用されていた江川町の住宅地と幹線道路を結ぶ道路の所有権を登記。通行の妨害をしたり、住民に対し土地の買い取りなどを求めた。
　住民は安心して生活できる町を取り戻そうと結束し、県弁護士会や県警、県暴力団追放県民会議の協力を受けながら訴訟を続けてきた。
　住民男性（６２）は「一人一人の力は小さいが、関係機関と協力することで暴力団の侵害行為に対抗できた。これからも私たちの町を守っていく覚悟です」と話した。１００万円は原告団が集めた寄付などを充てたという。【岩井香寿美】（毎日新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030828-00000001-mai-l42