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2003年08月26日(火) 00時00分

住基ネット2次稼働 独自利用広がるの?朝日新聞・

 住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)の2次稼働が始まった25日、県内の市町村でも住基カードが発行された。全国の市町村で住民票の写しが取れるようになるなど、国は利便性の向上を強調する。しかし、それ以上の効果を期待するとなると、カード内蔵のIC(集積回路)チップを利用した独自サービス機能があるのは県内では志雄町のみ。情報漏れへの不安を指摘する住民もいて、普及については不透明だ。

 県内では、金沢、七尾、小松、加賀、松任の5市と、野々市、内灘の2町の計7市町が即日発行の対応をした。手数料は全市町村とも500円。

 金沢市の市民課の窓口にはこの日、交付申請の受け付けが始まる午前9時前から、数人の市民が順番待ちした。同市では即時発行ができるため、申請者が住所や氏名、生年月日などを書類に書き込んで、身分証明となる免許証とともに窓口に提出すると、約30分後にカードが発行された。

 住基ネットについて「基本的には反対。金沢市の基本姿勢を問いたい」という同市の自営業男性(38)は交付を受けた後、「行政はデメリットも市民に知らせるべきだ。個人データが漏れるのか漏れないのか疑問があるので確かめたい」。同じくカードを受け取った同市の税理士男性(76)は「プライバシーの面から反対という人もいるが、ものは使いようで、凶器にも便利なものにもなる」と話した。

 同市ではこの日、市役所と出先機関で合わせて80人からの申請を受け付け、カード発行機がある市役所で免許証などの顔写真付きの身分証明を持参した41人に対しカードを即時交付した(4月1日の交付対象人数44万543人)。今年度分として約1万枚の発行を見込んでいる。

 県内のこのほかの市では、輪島市6人、松任市7人、小松市8人だった。加賀市では7人が申請したが、うち6人は収入役を含む市職員だった。珠洲市でも申請した2人のうち1人は市職員。羽咋市では1人、七尾市では申請がなかった。

 市の広報やホームページなどで事前にPRし、カード千枚を用意した七尾市市民課は「現時点では、身分証明書としての使用が中心となり、免許証などがある人にはあまり必要ない」。羽咋市総合窓口課でも「用途があまりなく、急いで作らなくてもいいという意識があるのでは」という。

 県内の自治体で唯一独自の行政サービス機能を住基カードに導入した志雄町ではこの日、男性8人、女性2人の計10人(7月末現在の交付対象人数7384人)が住民課に申請した。

 カードは本人の希望で「行政サービス機能付き」か「機能なし」のいずれかを選べるが、全員が機能付きを選択。ただし、カードの作成を「地方自治情報センター」(東京)に委託しているため、実際の交付と稼働は9月上旬になる。

 独自機能付きカードは、ICチップ記憶容量の空き部分を利用。役場玄関ホールに設置された証明書交付機にカードを入れると、住民票の写しや印鑑登録証明書などが自動的に発行されるほか、各種申請書の自動作成や生涯学習センターの利用予約もできる。

 住民課受付窓口の職員の話では、独自機能付きカードの導入が広報誌や新聞などでクローズアップされたため、機能なしのカードも選べることを知らないで訪れる人が多いという。

 国や県などを相手取り、住基ネットの差し止めなどを求めた訴訟の原告で、加賀市の会社員、成房〓夫さん(71)は「カードに多くの個人情報が記録され、漏洩(ろうえい)時の影響がさらに増す。利便性は乏しいのに危険度は増している」と話した。
(8/26)

http://mytown.asahi.com/ishikawa/news02.asp?kiji=5539