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2003年08月15日(金) 00時00分

世田谷区の住基ネット停止 区長には事後報告 東京新聞

 「新種のウイルスに危ぐを感じ、万が一を考えた」−。コンピューターウイルス「Blaster(ブラスター)」対策で、住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)を停止した世田谷区。同区独自の住基ネット条例で停止措置は区長判断と定められていたが、熊本哲之区長には報告されていなかった。同区は人口が二十三区で最大。二十五日の本格稼働を控え、危機管理の再確認の必要性が浮き彫りになった。

 同区の住基ネット担当者は十四日夕、区役所で記者会見。区の住基ネットサーバーにつながる庁内LAN(構内情報通信網)の端末でウイルス感染が確認され、本人確認情報にかかる更新情報の送信を停止したことを明らかにした。

 区によると、今月八−十二日、住基ネット本格稼働に向けた最終テストのため更新情報の送信を停止していた。十二日午後に感染が分かり、十三日からの再開を取りやめ停止継続を決めた。庁内LAN端末はインターネットに接続されておらず、感染経路は判明していない。

 担当者は「住基ネットのシステムに影響はないと分かっていたが、新種のウイルスであり、どんな影響があるのか分からず、個人情報の安全のため万が一を考えて停止した」と説明。

 だが、熊本区長への報告は、現場の停止判断から二日後の十四日午後だった。同区は住基ネットのセキュリティー対策のために定めた条例で、「本人確認情報に脅威をおよぼすおそれがある場合」などに停止措置をとれるとしているが、その判断は区長がするものとされていた。

 担当者は「停止は現場担当者が話し合って決めた。現場でバタバタしていて事後報告になってしまい、区長からおしかりを受けた」と述べた。

 同区の人口は約八十万人。区では庁内LANに二千台を超えるコンピューターが接続されており、「(ネットワークの)規模が大きくなる中で、(ウイルス感染の)接点が生じたのではないか」と担当者は話した。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/tko/20030815/lcl_____tko_____002.shtml