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2003年08月10日(日) 14時36分

植物油入りチョコも認めます ベルギー、EU指令に屈す朝日新聞

 チョコレートの原料としてカカオバターだけしか認めていなかったベルギー政府が、植物性油脂を使ったものの販売も認めることになった。3年前に決まった欧州連合(EU)の政策実施期限が来たためで、「チョコ王国」も統一市場の決定には抵抗できなかった形だ。

 チョコをめぐるEUでの論争は、73年にさかのぼる。英国が植物油を使った製品を「チョコ」と認めるよう求めたのに対して、フランス、イタリアなどが「そんなのはチョコではない」と反対。00年5月、閣僚理事会の場でヤシ油など6種類の植物油を製品の重さの5%まで使う場合に限って「チョコ」と認めることで妥協が成立した。

 EU加盟国が決定に従う中で、ベルギーは同国のチョコの伝統を守るため、カカオバター100%の「純粋チョコ」マークを導入する一方、中小製造業者の反対も考慮して、国内規則の制定を遅らせてきた。

 しかし00年の決定は「EU指令」と呼ばれ、市場統合政策として各国を拘束する。「チョコ指令」の場合、発効後3年後の今月3日までの政策実施義務を各国に課しており、放置すれば欧州司法裁判所に訴えられかねない。このため、ムルマン経済相は、新規則に署名し、論争を決着させることにした。

 ただ、植物油が混じったものをベルギーの人々がチョコとして受けいれるかどうかは別問題だ。地元紙ルソワールが行った味比べ調査によると、消費者の6割前後がベルギー製チョコを「おいしい」と答えたのに対して、英国製チョコでは4割以下だった。

 チョコ大手のノイハウス社の広報担当者は「今まで築いた評判を維持していくため、植物油を使ったチョコは作らない」と語っている。

 関係者によると、材料がカカオバターだけだと夏場には溶けやすく、高温多湿の日本では植物油を5%以上使っている製品も多い。(08/10 14:36)

http://www.asahi.com/business/update/0810/006.html