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2003年08月08日(金) 22時41分

<花粉症薬>副作用で脳出血 市販の内服薬の約8割に含まれる毎日新聞

 「塩酸フェニルプロパノールアミン」(PPA)を含む花粉症治療薬などの服用で脳出血を起こしたと疑われる副作用が、01年以降に7件起きていたことが分かり、厚生労働省は8日、関係企業に使用上の注意の改訂と別の成分への切り替えを指示した。副作用が起きたのはいずれも女性で、症状は回復している。PPAは市販の鼻炎用内服薬の約8割に含まれ、年間販売量は2400万箱、170品目。同省は「脳出血が起きる確率は低いが、決められた用量以上の服用は避けて」と呼びかけている。

 同省によると、脳出血を起こしたのは10代が2人、20代が4人、70代が1人。20代の3人は決められた用法・用量の2〜7倍の量を一度に服用し、直後に激しい頭痛などを訴えて入院した。

 診察に当たった埼玉医科大学の松谷雅生教授(脳神経外科)は「若い患者が多いうえ、出血が脳の表面近くで起きるなど、高血圧脳出血とは違う特徴がある」と話している。

 PPAは米国で食欲抑制剤としても販売されていたが、米食品医薬品局(FDA)は00年11月、脳出血の危険があるとして、製薬企業に自主的な販売中止を要請。各国でも同じ効果を持つ成分への切り替えが進んだ。日本では当時、副作用報告がほとんどなく、食欲抑制剤としての販売も認められていないため、厚労省は注意喚起にとどめていた。

 PPAが含まれている医薬品のリストは、厚労相の認可法人「医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構」の情報提供ホームページ(http://www.pharmasys.gr.jp/happyou/happyou_index.html)に掲載されている。

     ◇

 厚労省の指示を受け、製薬最大手の武田薬品工業は8日、総合感冒薬「ベンザブロック」などPPAを含む医薬品6品目の製造・販売中止をすると発表した。「ただちに消費者が副作用のリスクにさらされるわけではないとされているが、安全性確保を一層徹底するため」とコメントしている。【須山勉】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030809-00000058-mai-soci