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2003年08月07日(木) 00時00分

爆弾テロ 連鎖の根を断たねば 東京新聞

 インドネシアの首都ジャカルタで爆弾テロが起き、またも尊い人命が奪われた。多大の忍耐を要するが、国際社会は結束を乱さず、テロ組織と対決し、テロ連鎖の根を断ち切っていかねばならない。

 インドネシアでの大規模な爆弾テロは、昨年十月のバリ島爆弾テロ事件に次ぐもので、東南アジアでは国際テロ組織が活発化している。

 米中枢同時テロ以来、ほかの地域でも、ケニア・モンバサ、サウジアラビアなどで爆弾テロが後を絶たない。一般の人々を標的にしたり巻き添えにして犠牲を強いる行為は卑劣で、決して容認できない。

 今回のジャカルタ・テロ事件について、現在のところ詳しく分かっていない。インドネシア国家警察は、犯行に使用された車両を特定し、捜査を進めているが、犯行の手口や爆発物、爆発方法などからバリ島での爆弾テロと類似するとみている。

 シンガポール紙によると、東南アジアのイスラム過激派組織で国際テロ組織アルカイダと共闘する「ジェマ・イスラミア(JI)」が犯行声明を出した。

 国家警察当局は全容解明を急ぎ、この犯行組織の壊滅に全力を挙げてもらいたい。テロ事件は決して一国だけの問題ではなく、再発防止に向けた多国間協力がどうしても欠かせない。

 東南アジア諸国連合(ASEAN)は、バリ島爆弾テロ事件以降、情報交換などの協力態勢を強めてテロ対策に乗り出し、域内で地下テロ組織の摘発などを進めてきた。

 メガワティ・インドネシア大統領は、新たな規制を実施する考えだ。国内の政治、社会、宗教指導者を結集するとともに、ASEAN各国と一層緊密に連携して、テロ組織とその支持勢力の排除に努めてほしい。

 米同時テロから始まった「テロとの戦い」はまだまだ続く。アルカイダ組織は世界各地に分散し、その分派や支持勢力は地球規模で暗躍している。

 ジャカルタ・テロは国際社会にテロの恐怖をあらためて認識させた。国連を中心として国際機関、各国政府の強固な協力態勢を再構築し、それを発展させていくことが今まで以上に必要だ。

 先月の日豪首脳会談では、東南アジアやアジアの地域機構に対するテロ対応能力の強力な支援などの共同行動で合意した。こうした連携を広げることが緊急の課題である。

 今回の事件は、観光などインドネシアの経済活動に打撃となることは必至だ。日本などが積極支援に動くことが望まれる。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sha/20030807/col_____sha_____003.shtml