2003年07月18日(金) 00時00分

報徳会の集団食中毒 保健所が行政の課題など指摘 （東京新聞）

　宇都宮市の医療法人「報徳会」が運営する宇都宮病院と介護老人保健施設「陽南」で病原性大腸菌Ｏ１５７に百二十三人が感染、うち九人が死亡した集団食中毒について市保健所は十七日、行政課題などをまとめた報告書を公表した。感染ルートについては、すでに「不明」との最終報告が出されている。

　報告書は、予防などの点から行政や施設の対応を分析。市保健所は、百人を超える大規模な集団食中毒を想定していなかったことを認め、「指揮命令系統や情報伝達が不明確になり、業務の重複があった」と、現場が混乱していた実態を明らかにした。

　高齢者や入院患者などが対象の施設は、大きな被害を受けやすいことから、給食を作る場合は必ず加熱するなどの衛生対策を徹底する必要があると指摘。県などを含めた行政全般の課題として、「条例制定などによる集団給食施設への規制強化」などを挙げている。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/tcg/20030718/lcl_____tcg_____002.shtml