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盗まれた預金通帳と届け出印、健康保険被保険者証を使って計１７５０万円を引き出された会社員の男性（５９）が、東京三菱銀行にこの預金分の払い戻しを求めた訴訟の判決が１７日、横浜地裁であった。松田清裁判官は、引き出した男が払い戻し請求書に住所を誤記したのを見落とした銀行側の過失を認め、定期預金分１５００万円の支払いを命じた。
判決によると、窓口で本人確認に使われた保険証の住所は神奈川県茅ケ崎市「十間坂」だったが、男は「十間町」と誤記。窓口の担当者は誤りに気付かず、印影の照合などをしただけで本人と間違え、現金を渡した。
銀行側は「払い戻し時点で盗難届も出ておらず、過失はない」と主張。しかし、判決は１字の違いは大きかったとし、「誤りに気づき、暗証番号を入力させるなど、さらに本人かどうか確認すべきだった」と述べた。
一方、普通預金分２５０万円については「簡便な手続きで払い戻すことが要請され、注意義務は軽度で足りる」として請求を棄却した。
東京三菱銀行広報室は「係争中の個別事案に関するものであり、コメントは差し控えさせていただきたい」としている。
(07/17 23:24)