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2003年07月17日(木) 00時14分

前納金返還訴訟:消費者契約法で状況一変毎日新聞


 京都地裁での前納金返還訴訟の判決を受け、大学側は「(前納金不返還は)社会的に容認されてきた慣行」などとするコメントを発表したが、この慣行の実態は最近、大きく変化している。大手予備校が昨年11月まとめた調査によると、調査対象522校中、456校が入学金以外の授業料などを返している。「返さない」のは51校で、全額を「没収」する方が少ない。

 状況を大きく動かしたのは01年4月の消費者契約法の施行と、同法を根拠にした集団訴訟だ。第1次提訴(昨年6月)の前後に文部科学省も、前納金の納付時期について受験生への配慮を大学側に求め、以後、返還に踏み切る大学が急増した。

 今回の判決は、そうした変化の流れの中にあるだけでなく、「契約について事業者が守るべき基本的な規範」として同法の広い適用の道を示し、大学側の「常識」に司法からノーを突き付ける格好となった。住宅の敷金・礼金トラブルや語学教材販売などの契約をめぐる訴訟にも影響を与えるだろう。

 ただ判決は、大学側が被る平均的損害について「(大学側の)立証がされていない」とだけ示して退けるにとどまるなど、上級審で新たな争点となる余地を残している。今後判例の積み重ねが必要になるだろうが、前納金返還の明確な基準作りが大学側に求められている。【中村一成】

 ■消費者契約法■ 物やサービスの契約を結ぼうとする際、消費者(買う側)と事業者(売る側)の間には、情報の質や量、交渉力などに格差がある。この格差を縮め、消費者の権利を守ろうと定められた、ほぼすべての契約を対象にした民事ルール。01年4月に施行され、それ以降の契約に適用される。

 同法は、(1)事業者は正しい情報を消費者に伝えるべき(2)不公正な勧誘による契約は取り消せる(3)消費者の契約を一方的に害する契約条項(特約)は無効——と規定。うその説明をする「不実告知」、不都合な事実をわざと説明しない「不利益事実の不告知」、「必ず値上がりします」などと説明する「断定的判断の提供」、契約するまで居座る「不退去」などは契約取り消しが認められる。

 また、注意書きで「盗難・事故について一切責任を負わない」など事業者の責任をすべて免除したり、実際に被る損害を超えるような不当に高い違約金を定めた契約条項などは無効と規定された。

 同法を適用した初判決は昨年7月、中古販売業者が注文契約の2日後にキャンセルした客に違約金18万円の支払いを求めた訴訟で、大阪地裁は「業者に実損はない」と請求を棄却した。

[毎日新聞7月17日] ( 2003-07-17-00:14 )


http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20030717k0000m040181001c.html