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2003年07月16日(水) 15時11分

日赤が配布した血液回収文書、“意味不明”で現場混乱読売新聞

 肝炎ウイルスなどに感染した恐れのある輸血用血液が、検査をすり抜けた疑いが指摘されているが、日本赤十字社は危険性のある血液の使用停止と回収を要請する文書を医療機関に配布したものの、肝心の「感染危険性(リスク)」を明確に伝える表現がなく、医師や薬害被害者から、日赤の不親切な情報提供を批判する声が上がっている。

 この文書は、輸血用血液を供給している医療機関(約1万4000)の一部を対象に配布されているもの。

 「お届けした輸血用血液の情報提供について」と題し、「感染症検査に『適』となった血液でも、ご提供頂いた献血者がその後に献血され、その血液が『不適』となった場合には、その旨の情報を提供し、お届けした血液が未使用であれば、引き取らせて頂く」と通知した。

 厚生労働省は、これら供給血液中にエイズウイルス(HIV)、肝炎ウイルスなどの感染リスクがあることを日赤に指摘、追跡調査で感染の危険性が見つかれば、輸血に使わず、回収を指示していたが、この文書の表現では、その緊急性を読み取ることは難しい。

 文書を受け取った輸血専門医らは「回収する血液に感染の危険性があるのかどうかすら、判断できない」と批判。厚生労働省にも、「文書の趣旨がよくわからない」という医療機関の問い合わせが寄せられている。

 東京HIV訴訟の原告らで構成する「はばたき福祉事業団」の大平勝美理事長は、「感染リスクのある血液の回収は、一大事のはずだが、表題に『回収』という言葉さえなく、積極性が全く伝わらない。血液事業に対する真剣さに欠ける」と指摘している。

 日赤血液事業部の話「批判は厳粛に受け止めたい。国の指導については、粛々と実施している」(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030716-00000105-yom-soci