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2003年07月15日(火) 14時39分

UFJ銀、偽造保険証で開設の166口座を強制解約読売新聞

 大手都市銀行のUFJ銀行は15日までに、偽造の疑いが強い健康保険証を本人確認に使って開設された166口座を強制解約した。口座は、ヤミ金融が客から返済金を振り込ませるために利用していたとみられる。

 本人の承諾を得ずに、銀行側が口座を強制解約するケースはほとんどなく、社会問題化しているヤミ金融への金融機関独自の対策として注目される。

 同行によると、不正口座が発覚したのは、ヤミ金融の被害者から相談を受けた弁護士から今年3月、振込先の口座調査を求められたのがきっかけ。

 同行で調べたところ、都内の72支店に開設された166の普通預金口座で、「本人確認」のために提示を受けた健康保険証に、実在しない被保険者番号が記載されていたことが判明。保険証には、有名企業を含む数十社の企業名が使われていた。

 口座名義人の「自宅」は台東区内の1か所の住所地に集中。ここには貸しオフィスがあるが、保険証に記載された2種類の部屋番号のうち、1つは実在していなかった。

 こうした口座には、不特定多数の個人から頻繁に振り込みがあったほか、毎日全額が引き出されるなど不自然さがあり、ヤミ金融が客から返済金を振り込ませるために利用していた可能性が高いとみられる。

 同行では、口座の名義人に対し、本人確認のため来店を求める文書を郵送したが、返答がなかった。このため今年5月、架空名義などの口座を強制解約できるよう定めた預金規定に基づき、166口座を順次、強制解約した。解約した口座の預金は、同行で保管している。

 その後、都内の複数の支店には、「なぜ使えなくなったんだ」「殺すぞ」などの脅迫めいた電話が計約20件かかってきたという。

 銀行は、犯罪防止の観点から、架空名義での口座開設が判明した場合、強制解約できる条項を預金規定に盛り込んでいるが、顧客とのトラブルにつながりかねないことなどから、これまで強制解約に踏み切るケースはほとんどなかった。

 しかし、最近はヤミ金融のほか、債権回収を装って現金を振り込ませるなど銀行口座を悪用した犯罪が頻発。銀行としても、口座の開設や管理上の責任が問われかねない事態だとして、各行では、不自然な口座の監視を強めている。

 犯罪に悪用されている可能性のある口座について、金融機関は、組織的犯罪処罰法に基づき金融庁に届け出ることになっているが、届け出は2000年の約7000件から、2002年は1万9000件に急増している。

 一方、UFJ銀行では今年2月から、都心の支店などで現金自動預け払い機(ATM)コーナーを、ヤミ金融業者とみられる男たちが占領しているという一般利用客の苦情を受け、全国の支店に「5件以上連続してご利用の方は、お並び直しください」との張り紙を掲示している。

 元ヤミ金融従業員の話によると、ダイレクトメールなどで勧誘した客には、銀行のATMを使って貸付金を振り込むという。元従業員は、「午後になると、繁華街にある銀行のATMコーナーは同業者が列をなしていた」と話した。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030715-00000106-yom-soci