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2003年07月13日(日) 07時06分

温泉付き分譲マンション 湯量減少、供給停止へ 仙台河北新報

 仙台圏唯一の温泉付きマンションとして分譲された仙台市青葉区錦ケ丘の「錦ケ丘セントラルハイツ」で、湯量の減少を理由に分譲会社が9月で温泉の供給を停止する方針を打ち出し、入居者に困惑が広がっている。分譲会社は「温泉保証期間は満了している。近く正式に購入者に説明し、理解を求めたい」としているが、温泉付きマンションで目玉となる温泉の供給がストップするのは全国でも異例なだけに波紋を広げそうだ。

 セントラルハイツは、山万アーバンフロント(現アーバンフロント、本社仙台市)が分譲。13階建ての176戸で、1995年11月に入居が始まった。
 温泉は同社が掘削し、ポンプでくみ上げて供給している。温泉を利用できる「温泉権」は7年で更新され、7年分で150万円。利用者はほかに月約3700円の基本料と、使用量に応じた料金を払う仕組み。アーバンフロントは「個人、法人合わせて100戸近い入居者が購入した」と言う。

 同社によると、温泉の供給停止は湯量が十分確保できなくなったのが理由。「この7年でポンプの届く範囲の湯が減少した。湯量を確保するためには、さらに深いところまで届くようポンプを補強する必要があるが、コストが掛かりすぎる」と説明する。
 同社は7年を経過した昨年末、住民に今年9月で温泉の供給を停止する可能性を通知し、現在は温泉権の代金を徴収してしない。

 会社側の方針に住民側は戸惑っている。2年前に宮城県外から引っ越してきた高齢の女性は「まず停止の具体的根拠を教えてほしい」と訴える。マンションの自治会によると、「初期のボーリング調査に問題があったのでは」といった疑問や、高齢者からは「療養用に購入したのに、温泉が出なくなれば困る」といった声が出ているという。

 温泉付きマンションは80年代後半のリゾートブームに乗って普及した。最近は都市部でも温泉掘削が容易となり、首都圏や関西圏で建設が相次いでいる。
 マンションの動向に詳しい不動産経済研究所(東京)は「築10年を超える物件でも供給が止まったという話は聞いたことがない」と話している。

【写真】仙台圏唯一の温泉付きマンション「錦ケ丘セントラルハイツ」。温泉供給の停止に戸惑いが広がっている=仙台市青葉区錦ケ丘
[河北新報 2003年07月13日](河北新報)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030713-00000007-khk-toh