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2003年07月13日(日) 03時21分

<ヤミ金>大阪・八尾の心中事件から1カ月 対策法成立間近毎日新聞

 ヤミ金融業者の脅迫的な取り立てを苦に、大阪府八尾市の男性(61)と妻(69)ら3人が心中して14日で1カ月を迎える。犯罪的な取り立てに批判が高まり、罰則強化を盛り込んだヤミ金融対策法案が今国会で成立する見通しだ。業者側にも過酷な取り立てを控える動きがあるという。「悪徳業者のために死ぬのは悔しい」。命をかけて訴えた妻らの願いが社会を動かしつつある。

 夫婦と妻の兄(81)は先月14日未明、JR関西線で電車にはねられ死亡した。業者の取り立てに追われ、自宅には「苦しみ抜いた揚げ句、死を選びました」と書かれた遺書が残されていた。

 大阪府警は今月1日、「悪質金融事犯特別取締本部」を設置し、130人体制で違法なヤミ金融業者の取り締まり強化に乗り出した。電話の取り立てだけで正体が分からない業者を割り出すため、各警察署に寄せられた相談など200件以上の情報をデータベース化し、分析を進めている。

 最近、「ヤミ金融業者の間で厳しい取り立ての自粛が申し合わされた」との情報もあるが、府警は当面の摘発逃れとみて警戒を続けている。

 社会問題化したことで、被害申告も増えた。被害者の相談に応じる「大阪クレジット・サラ金被害者の会」(大阪いちょうの会)への電話(06・6361・0546)は多い日で1日約200件と以前の2〜3倍に膨らんだ。田中祥晃事務局長は「『殺すぞ』といった業者のあからさまな脅しは減った。ヤミ金融の犯罪性が明らかになり、『民事だ』と介入を避けていた警察の対応も変わった」と話す。

 毎日新聞には3人を悼む手紙やメールが多数寄せられている。「一老女より」と記された手紙には「私の他にもたくさんの方々が生き地獄を生きておられるのだと知りました。私も幾度となく朝、目が覚めると死を考えました。私だけではないのだ、頑張って少しでも長く生きていこうと思います」とつづられていた。【ヤミ金融問題取材班】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030713-00000164-mai-soci