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2003年07月12日(土) 07時18分

法務省、2ちゃんねるに削除要請500件 長崎園児殺害朝日新聞

 長崎市の男児誘拐殺人事件をめぐり、「人権侵害にあたる」と法務省がインターネットの掲示板「2ちゃんねる」に削除を求めた投稿が、11日夕までに約500件に達した。匿名を利用した悪質な書き込みや人権侵害は年々増え続けている。

 「2ちゃんねる」は少年犯罪を扱う欄を常設している。この欄には、「スレッド」と呼ばれる小テーマごとの投稿コーナーが多数あり、自分の名や連絡先を明らかにしないで書き込める。

 「長崎誘拐事件・・犯人は中学生」というスレッドが始まったのは9日午前10時前。類似のスレッドも生まれ、書き込みが殺到した。補導された少年の実名とする複数の氏名や住所、学校名などの個人情報や顔写真も飛び交った。

 法務省は9日夜に7件の削除を要請したが、状況は変わらなかった。このため東京、福岡、長崎の各法務局が手分けして確認、削除要請を繰り返している。同省によると「2ちゃんねる」側は、一部を処理したと掲示板に掲載した。

 家庭裁判所に送られるなどした少年の個人情報や写真について、少年法は「新聞紙その他の出版物に掲載してはならない」と定めている。ネット上の書き込みが「その他の出版物」にあたるかどうかは判例上、示されていない。また、仮に違反しても罰則はない。

 「2ちゃんねる」の掲示板にも「氏名・住所・電話番号などの個人情報を書くのは禁止です」とは書かれている。

 だが、大谷晃大・法務省調査救済課長は「書き込み内容の責任はあくまで投稿者にある。削除するかどうかは管理人の良識に任せるしかない。ある書き込みが削除されてもすぐに別の投稿があり、いたちごっこだ」。

 日本弁護士連合会子どもの権利委員会事務局長の須納瀬学弁護士は「やりたい放題、一種のリンチだ。少年法の趣旨からすれば、ネット上でも実名や顔写真を明らかにすることは許されない。事件に無関係な子どもを犯人扱いすると、悪質な場合は刑法の名誉棄損にあたる可能性もある」と話す。

 法務省は、ネット上の人権侵害が目立ち始めた99年から統計をとり始めた。同和問題や在日朝鮮人を中傷する事例が目立つという。

 昨年は被害者自身からの訴えが47件、第三者からの通報が25件、その他3件の計75件。99年の4倍に増えた。(07/12 07:17)

http://www.asahi.com/national/update/0712/008.html