2003年07月12日(土) 19時41分

貸金業者殺される　顔に粘着テープ−−松本のビルで　／長野（毎日新聞）

　１１日午前１０時ごろ、松本市清水１の店舗と住宅が入った「サンリバービル」３階の部屋で、この部屋に１人で住む貸金業、全達守さん（５９）が、顔を粘着テープで巻かれて死んでいるのを同ビル内に住む義理の弟（５４）が発見し、１１０番した。松本署は殺人事件として捜査を開始。同夜、全さんを司法解剖して死因を調べる。
　調べでは、全さんは６畳ほどのワンルームの部屋で着物姿でうつぶせで倒れていた。目立った外傷はなく、部屋内は雑然としていたという。義弟は同朝、全さんと連絡が取れないため部屋を訪ねた。全さんは前日の１０日は近所の人に目撃されており、同署では１０日以降、同ビルに出入りした人を重点的に調べている。
　現場は松本城から東に約８００メートルの市街地。１階に焼き肉店、２階に全さんの妹と義弟が経営する不動産事務所兼住居、３階は５部屋がある。
　近くのコンビニエンスストアによると、全さんは１０日夜、同店で買い物をしたという。近所の人や関係者の話では、全さんは１０年以上前から同所で暮らしていたという。部屋のドアは開けっ放しのこともあったらしい。近くのガソリンスタンドの女性従業員は「穏やかな感じの人で、会えばあいさつする。殺されるなんて、まさかと思う」と話した。
　県産業振興課によると、全さんは９８年、同所で貸金業登録をした。近隣の話では、同ビルには頻繁に人の出入りがあった。県貸金業協会（松本市）によると、これまでは全さんの顧客からのクレームはなかったが、先月上旬ごろ、顧客という女性からクレームをつける電話があったという。【宮島寛、川崎桂吾、反橋希美】（毎日新聞）

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