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2003年07月09日(水) 09時01分

東北新幹線「はやて」一部区間で環境基準超す騒音読売新聞

 昨年12月に開業した東北新幹線盛岡—八戸間の一部で、国の環境基準を超える騒音が発生していたことが環境省の調査で分かり、JR東日本や建設主体の日本鉄道建設公団などは防音対策の見直しを迫られている。

 同区間を走る「はやて」は最高時速275キロ。最新の騒音対策を導入し、既存の新幹線に比べ騒音は大幅に改善されたはずだったが、環境基準のハードルはクリアできなかった。JR側は「移動時間を短くしたいという乗客の要望もあり、対応が難しい」と頭を悩ませている。

 新幹線の騒音基準は、環境基本法に基づき、住宅地は70デシベル以下、商工業用地は75デシベル以下に設定されている。目安として、70デシベルは騒々しい事務所内や街頭、80デシベルは地下鉄車内とされる。

 環境省が、東北新幹線盛岡—八戸間沿線18か所で測定した結果、商工業用地10か所はいずれも基準内だったが、住宅地では岩手県滝沢村、青森県福地村(2か所)、八戸市の計4か所で70デシベルを上回った。最高は福地村内の75デシベルで、環境基準未達成の割合は約22%だった。

 新設の新幹線は開業時に環境基準を達成するよう定められている。「はやて」についても従来以上の防音対策が施された。例えば、パンタグラフの風切り音を減らすため、形状をひし形から「くの字」形に替えたり、摩擦音を小さくするためレールを定期的に削って平滑化したりした。先頭車両をアヒルのくちばし状にして空気抵抗も減らした。

 それでも、一部で環境基準が達成できなかったことで、環境省は、国土交通省に騒音対策の強化などを要請。同省もJR東日本などに、具体策を決めて内容を報告するよう求めた。

 一方、一昨年度の各新幹線の測定結果を環境省がまとめたところ、計292か所のうち、基準を達成できたのは114か所だけだった。未達成の割合は東海道51%、山陽65%、東北(東京—盛岡間)70%、上越77%、北陸(長野)26%だった。

 JR東日本広報部では「周辺環境に配慮する責任があることは十分理解している。国の指導に従い努力したい」と話している。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030709-00000101-yom-soci