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2003年07月09日(水) 22時59分

サムネイル表示は著作権侵害に該当せず、リンク表示は今後の課題にMYCOM PC WEB

写真家Leslie Kelly氏が、複製画像を表示する検索エンジンは著作権侵害にあたるとしてDitto.comを訴えていた裁判で、米第9巡回連邦控訴裁判所のThomas Nelson判事がサムネイル表示は著作権侵害に当たらないという判断を下した。

視覚サーチエンジンのDitto.comではCrawlsというプログラムを使用している。同プログラムは、インデックス化のために一度オリジナル画像をDitto.comのサーバにダウンロードし、サムネイルを生成した後にコピーした画像を削除している。ユーザーが画像を検索すると、サムネイルが一覧表示され、これらをクリックすればオリジナル画像がリンク表示される。

今年2月、同じ連邦控訴裁判所で、サムネイルは画素数も小さく、複製が再利用される可能性が低いため、公正使用に当たると判断された。だが、オリジナル画像への直接リンクについては、アーティストの権利を害する可能性が高く、公正使用の範囲を超えていると指摘された。一部で原告の言い分が認められた判断だったが、Kelly氏はこれを不服として控訴した。

今回担当したNelson判事は、「著作権保護は、創造性を発展させ、アーティストと公共の利益につながるようなものであるべき」という観点から、教育、リサーチ、批評、ニュース/レポートなどのような目的での利用は制限されるべきではないとしている。リサーチ目的で使用されるDitto.comのサムネイル表示は、著作権保護の目的とも合致しているとして、「サムネイルは公正使用にあたる」というこれまでの判断を支持した。

また、Nelson判事は「Arriba(Ditto.com)はインターネット上の情報へのアクセスを向上させるために画像を利用し、原告はアーティスト表現として使用している。両者はまったく異なった立場で画像を使用している」と争点を再確認。オリジナル画像のリンク表示についても下級審判決に疑問を呈し、差し戻しを命じた。

(Yoichi Yamashita)

第9巡回連邦控訴裁判所
http://www.ca9.uscourts.gov/

(MYCOM PC WEB)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030710-00000098-myc-sci