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2003年07月05日(土) 14時35分

アレルギー原因物質「小麦」表示漏れを公表せず…全農読売新聞

 全国農業協同組合連合会(全農)グループが扱う加工食肉や弁当など104件の食品に、原材料表示が必要なアレルギー原因物質「小麦」の表示漏れが発覚したにもかかわらず、全農側は商品名などを消費者に公表していないことがわかった。

 法的な公表義務はないものの、これまで表示漏れが判明した大手企業などの多くは新聞広告などで告知しており、農水、厚生労働の両省は「消費者に対し後ろ向きの姿勢だ」などと批判している。

 表示漏れは、全農福岡県本部によるブランド茶「八女茶」の偽装問題を受け、子会社を含む全農グループの全食品を対象として今年1月と2月に行った総点検で判明した。その結果、衣付けや味付けをした食肉4件、てんぷら、フライ、弁当、ハンバーグなどの加工食品100件の計104件に、本来は食品衛生法に基づき原材料表示をしなければならないアレルギー原因物質「小麦」の表示が抜け落ちていた。

 アレルギー原因物質の表示に違反した場合、商品名などを公表する義務はない。しかし、今年2月、プリマハムに製造委託された「アスパラベーコン巻き」に「卵」の表示漏れが見つかったのをきっかけに、同様の違反が相次いで発覚した。

 厚労省によると、少なくとも14業者が製造した18商品について、新聞などを通じて消費者に表示漏れが告知され、自主回収の措置が取られる騒ぎとなっている。

 ところが、全農は表示漏れが見つかった104件について、商品名や販売量、販売先などを一切公表していなかった。全農広報室は「すべての商品の表示がすでに改善されている。日持ちがする食品ではなく、回収も不可能なので公表する意味がない」と説明している。

 全農はさらに、今回のアレルギー原因物質の表示漏れを含め、グループの総点検では、2163件の食品に表示ミスを見つけたが、商品名などを公表したのは、農水省が日本農林規格(JAS)法違反で改善を指示したタマネギと米の4件にとどめている。

 ●アレルギー原因物質 小麦のほか卵、そば、落花生などが対象。人によっては微量でも口にしただけでアレルギー反応を示し、重症の場合、呼吸困難など生命の危険があると言われる。表示は、食品衛生法で昨年4月から義務づけられた。悪質なケースは刑事告発されて、6月以下の懲役、3万円以下の罰金が科せられることもある。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030705-00000105-yom-soci