悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年07月04日(金) 07時31分

<カード偽造>被害165億円 昨年過去最高 IC化遅れで標的毎日新聞

 国内で発行されたクレジットカードの偽造被害の総額が昨年1年間で約165億円と、97年の調査開始以来、過去最高だったことが、社団法人「日本クレジット産業協会」(東京都新宿区)の調べで分かった。カード業界は今月から偽造されにくいICカード導入の取り組みを本格化させ、警視庁など警察当局も取り締まりを強化しているが、無線機能を持った新手の「スキマー」の存在が明らかになるなど、犯罪組織との攻防はし烈を極めている。

 同協会は、VISA、UCなど国際ブランドのカードを発行している会社を中心に銀行、信販系などのクレジット会社47社を対象に不正使用による被害額を調査。被害を(1)偽造カード使用によるもの(2)盗難、紛失によって第三者が使用したものに2分類して、まとめている。

 97年は総額約188億円のうち、偽造被害が約12億円(約6%)と盗難・紛失による被害がほとんどだった。しかし、偽造被害は98年以降増加を続け、01年は総額約276億円のうち偽造被害は約146億円(約53%)と半分を占めるようになった。02年は総額約291億円のうち偽造被害は約165億円(約56%)となった。

 カード会社の幹部は「盗難被害が減少しているにもかかわらず、偽造被害が急増した。欧州でICカードを導入する国が増えたために、偽造グループが磁気カードが主流の日本をターゲットにし始めたため」と分析している。

 偽造グループは、収集したデータをプラスチック原版に転写して偽造カードを作成。偽造カードを使ってパソコンなどの高額商品を購入し、転売して換金しているという。

 カード会社の請求は、本来のカード所有者に届くが、偽造カードが使用されたことが確認されれば、損害はカード会社が負担する。盗難のケースでは損害保険が適用されるが、偽造については「リスクが大きい」(大手損害保険会社)との理由で保険が整備されておらず、カード会社の負担となる。【河嶋浩司、田中義宏】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030704-00000179-mai-soci