悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年07月03日(木) 03時40分

<クレジットカード>無線付き不正読み取り機 都内の5店舗毎日新聞

 東京都内の五つのホテル内の店舗のクレジットカードの信用照会端末器計6台の内部に、無線機能を持った「スキマー」と呼ばれるカードのデータを不正に読み取る装置が仕掛けられていたことが、警視庁組織犯罪対策特別捜査隊の調べで分かった。データが外部に流出し、偽造カード製造に使われた可能性もあり、同隊は背後に大掛かりなカード偽造グループがあるとみて捜査している。カード会社各社は加盟店が設置している端末器の緊急保守点検に着手した。

 同隊によると、発見された装置は6個とも同じ形態をしており、カードの磁気データを読み取る部品、データを蓄積する記憶装置(約4×2センチ)、アンテナ付きの無線発信機の基板(約4×3センチ)が、コードでつながれている。端末器内に巧妙に埋め込まれ、電源は端末器から取り込んでおり、端末が稼働していれば電気が供給され続ける。

 正常に作動すれば、記憶装置内のデータが無線送信されるうえ、容量がいっぱいになると遠隔操作でデータを消去して繰り返し使用できる性能も持つため、継続的に大量のデータが送られる可能性があるという。

 この装置が発見されたのは4月21日〜6月12日の間。いずれもホテル内の開放型レストランのレジに置かれた端末器で、うち1店舗では2台から見つかった。無人になった深夜に忍び込んで仕掛けたとみられる。保守点検の際に見つかったり、不正に端末器を開けた場合に作動する安全装置が機能したりして発覚したという。1個には数十人分のデータが残っていた。

 カード会社の偽造対策担当者は「偽造グループが受信装置を積んだ車で、無線の届く範囲に近づけば容易にデータの回収が可能だ」と指摘。「普通に買い物をしたつもりが、知らぬ間に偽造カードが作られていることにもなりかねない」と危機感を募らせる。

 同隊によると、マレーシア・クアラルンプールで5月中旬、カードデータの不正読み取りが疑われる小売店を調べたところ、端末器に同種装置が取り付けられていた。

 これまでデータの不正取得の手口は、風俗店などで客のカードを預かって携帯用スキマーで読み取るほか、端末器に仕掛けたスキマーを回収する手法だった。発信装置を備えていれば対面のリスクを回避できるため、同隊は横行の危険性があると捜査に全力を挙げている。【田中義宏】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030703-00000177-mai-soci