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2003年07月03日(木) 06時14分

落札単価、00年度に一転上昇 水道メーター談合朝日新聞

 東京都の水道メーターをめぐる談合事件で、97年の刑事告発以後は下落傾向にあったメーターの落札単価が、00年度になって急に上昇に転じたことが分かった。公正取引委員会の立ち入り検査を受けた業者は、朝日新聞の取材に対し「談合した結果、価格が持ち直した」と話した。

 都が購入する水道メーターは、その約95%が口径13ミリと20ミリで、それぞれについて新品と修理品の計4品目がある。

 都水道局がまとめた調査によると、96年7月の前回立ち入り検査前の95年度には約7900円だった口径20ミリ新品の単価は、翌年度から下がり始め、99年度には約2800円と3分の1近くになった。

 13ミリ新品でも、95年度の約4300円が、99年度には約1900円と半額以下になった。

 99年度には、年度中で最も安かった落札単価が、4品目ともすべて過去最低を記録するなど値下がり傾向は止まらず、各社は強い危機感を抱いていたという。

 ところが00年度になると、4品目の単価は、約200円から800円の幅で上昇に転じた。

 翌01年度も、一部が小幅に値下がりしたものの、告発直後の急落傾向には一定の歯止めがかかる形になっていた。

 朝日新聞の取材に対し、談合の疑いが持たれている複数の中小メーカーの担当者は「前回の刑事告発後に自由競争になって『たたき合い』が始まり、採算割れが相次いだ。これ以上は下がらないようにと、大手が主導して00年度から再び談合を始めた。価格が上がったのはその結果だと思う」と明かす。

 「高い価格で談合したのならとがめられても仕方ないが、これほど価格が落ちた中で、話し合いをすることは本当に悪いことなのか」と納得できない表情を見せる業者もいる。

 公取委は、低落傾向にあった価格が00年度に上昇したことに重大な関心を寄せ、メーカーの営業担当者から、受注経緯や価格との関係などについて聴取を重ねてきた。刑事告発を受けて、今後は検察当局が解明にあたる。

(07/03 06:14)

http://www.asahi.com/national/update/0703/005.html