悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年07月02日(水) 01時20分

<脱税>「無限」脱税額は10億円 さいたま地検毎日新聞

 ホンダ系エンジンメーカー「無限」(埼玉県朝霞市)の脱税事件で、同社が隠した所得の総額は00年10月までの3年間で約33億4000万円で、逃れた法人税額は計約10億円に上ることが1日、さいたま地検特別刑事部の調べで分かった。実際には各期とも3億8000万〜13億円の所得があったが、架空の経費を計上するなどして、3年間で計約5億円の虚偽の赤字申告をしていた。

 調べなどによると、98年10月期は所得13億118万円を赤字1億7835万円▽99年10月期は所得11億6127万円を赤字2億5402万円▽00年10月期は所得3億8105万円を赤字6377万円——と税務署に申告していた。この間、法人税は一切、支払っていなかった。

 無限は1日、「経営責任を取り事実上経営から身を引くことを表明している」と本田社長の退任を示唆し「新生無限として再出発する所存」と文書で発表した。

◇ボンボン社長 経理には疎く

 巨額の脱税容疑で逮捕された同社社長、本田博俊容疑者(61)は、「神様」と呼ばれたホンダの創業者、故本田宗一郎氏の長男。「人格は最高」と評価される一方で、身内から「ボンボン社長」と呼ばれることもあったという。経理には疎く、脱税は、ホンダ本社から派遣された無限元監査役、広川則男容疑者(60)の主導で行われたとみられる。

 本田容疑者は30歳で無限を設立。自らスパナを握りエンジンやスポーツカーのパーツなどの製造開発を陣頭指揮したが、財務や宗一郎氏の遺産管理などは他人任せだった。92年のF1進出とホンダの資本参加に合わせ、財務面の専門家として93年、広川容疑者を迎え入れた。本田容疑者の信頼は厚く、退職した96年以降は「社長付」として本田家の資産管理も任せていた。

 98年11月、東京都港区南青山の本田家の資産管理会社「本田宗一郎スピリッツ」(HSSC)で、事務所のオープニングイベントが開かれた際、本田容疑者は「父の記念館を造りたい」とあいさつ。HSSCは自分の会社と思い込んでいたのだ。だが実際は、広川容疑者の友人夫婦が全株式を保有、広川容疑者が実質的に経営していた。このころから、両容疑者の関係はぎくしゃくし始めた。

 両容疑者は00年7月に購入した記念館建設用地とする東京都港区南麻布5の土地をめぐって対立。01年からは、互いにいくつもの民事訴訟を起こす泥仕合に発展し、この結果として脱税が発覚した。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030702-00000150-mai-soci