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2003年07月02日(水) 15時12分

新ビジネスの検証結果レポート<オークション代行サービスの妥当な手数料は?>(3)japan.internet.com

新たなビジネス・事業を考える際に、「いくらなら使ってもらえるのか」という価格受容性は実際にそのサービスを利用したいという意向の「ユーザの本気度合」を計る上で大変重要なポイントである。「オークション代行サービス」を題材に、今回は消費者に受け入れられるサービス価格をネットリサーチで検証してみたい。
前回「オークション代行サービス」についてサービスの受容性を調査したところ、 オークション出品経験者・未経験者とも「是非利用したい」「利用を検討してもよい」というネットユーザは、7〜8割いることが分かった。しかし、実際に、どの程度手数料を払ってもよいと思っているのだろうか?

ちなみに、既存のオークション代行サービスの手数料は、USのオークションドロップの場合、出品価格の20〜40%、楽天おまかせオークションでも30%程度の手数料を設定しているようだ。

今回、オークション代行ビジネスを検討するにあたっては、先行してサービスを開始している両社のサービス手数料を参考に、サービス手数料は出品価格の20〜40%と想定し、この料金がどの程度消費者に受け入れられるのか検証する。
今回の調査では、オークション代行サービスについて、「手数料は、出品価格の何%が妥当だと思うか」という聞き方によって、サービスの妥当価格を調べてみた。調査結果は下記のとおりである。

オークション代行サービスの妥当だと思う利用料金(出品経験者)
オークション代行サービスの妥当だと思う利用料金(出品未経験者)

オークション代行サービスの手数料として妥当な価格は、出品経験者の中では、「出品価格の5%の手数料」が妥当とする意見が60%と、最も高い。出品未経験者のグループでは、「出品価格の5%の手数料」42%、「出品価格の10%の手数料」33%と、出品経験者よりはやや10%の手数料も妥当とする意見の多い結果となった。いずれにしても、今回想定していた「20〜40%のサービス手数料」にはほど遠い結果である。

●「オークション代行」というサービス自体には魅力を感じるユーザは非常に多いが、実際にお金を払ってもいいと思われる手数料は高くても10%程度

今回のリサーチから、上記のような結果が出てきた。20〜40%のサービス手数料の設定で利用意向者のマジョリティを確保するのは非常に難易度が高いといえる。
リサーチした後にビジネスを考えるアプローチとしては下記のようになるだろう。

(1)まずは、20〜40%の手数料を払ってもいいとユーザに思わせる他の付加価値がないかを検討する。
(2)ユーザが払ってもいい、という10%程度の手数料でビジネスが成立し得るのかビジネスフレームを見直してみる。
(3)上記の検討の結果、20〜30%の手数料がないとビジネスとして成立しないのであれば、20%以上の手数料を払ってでも頼みたいというユーザ層(かなりニッチな層)がどんな層なのか、もう少し深堀りしてみる。
(4)再度、上記で再検討したビジネス規模がどの程度なのかを検証する。

今回実施したシンプルなネットリサーチによって、この新サービスの受容性とサービス設計における課題がずいぶん浮き彫りになった。
リサーチを1回やることで、「こんなビジネスがイケるのでは…」と考えていたビジネスが、かなり具体的になってくるものである。

[参考]
オークション代行サービスに関するアンケート結果
今回のネットリサーチで実施した調査は、質問数17問・回収サンプル数は477サンプル。
リサーチの実施料金は参考価格として35万円程度である。(※マクロミルの料金の場合)

(執筆:西沢真理子、監修:福羽 泰紀)

記事提供: マクロミル


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