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2003年07月02日(水) 07時05分

福島・岩手・宮城農薬基準誤記「県は責任自覚を」農水省河北新報

 農薬使用のマニュアルとなる都道府県作成の「農作物病害虫・雑草防除基準」の表記ミスが1日までに、福島、岩手、宮城の3県で確認された。いずれも県が作成段階で農薬の登録情報を十分にチェックしていなかったためのミス。今年3月に施行された改正農薬取締法では国が定める使用基準に反して農薬を使った農家に罰則が適用されるため、農水省は「都道府県は農家、消費者への責任を自覚してほしい」(農薬対策室)と厳しく指摘している。

 防除基準は農産物への残留防止や環境への安全性確保のため、国の農薬登録制度に基づき、都道府県が作物別に使用できる農薬の種類、使用時期、濃度、回数をまとめて農家などに配布する。

 誤記問題は6月上旬、福島県がブロッコリー、モモなど19作物の防除基準に、本来は使えない農薬を記載していたのが発端。農水省が17日、全国の都道府県に防除基準を総点検するよう通知したことを受け、各県で相次いで発覚した。

 岩手ではサクランボ、ブロッコリーなど4作物で計38項目、宮城では大麦、アズキなど5作物で計17項目について不適切な記載があり、1部作物では本来は使えない農薬が使用された疑いがあるとして、生産者団体に出荷自粛などを求める騒ぎになった。

 それぞれの農薬は農薬登録制度によって3年に1度、登録更新を義務づけている。今回の表記ミスは更新手続きを行わずに登録を失った農薬をそのまま記載したり、適用作物、濃度、回数などの変更状況などを見落としたりしたまま、防除基準を作成したためのミスが多い。東北では、秋田は今年4月までに防除基準の再点検を終え、「誤記はない」としている。山形、青森両県は現在調査中。

 農水省農薬対策室の沢田清室長は「農薬の登録情報は関係機関が随時、閲覧、検索できる体制になっている。改正農薬取締法では、今まで以上に農家の責任が重くなっただけに、都道府県は信頼できる防除基準づくりに努める必要がある」と強調している。
[河北新報 2003年07月02日](河北新報)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030702-00000005-khk-toh