2003年07月02日(水) 08時48分

連邦控訴裁、Madster停止命令を支持（ZDNet）

　P2Pネットワークの運営者は、そのユーザーにコンテンツを覆い隠せる手段を与えたとしても、著作権侵害の責任を免れることはできないとする判断を6月30日、米シカゴの第7巡回区連邦控訴裁が言い渡した。

　この判断はファイル交換ネットワークのMadsterに対する訴訟で出されたもの。Madsterはサービスを停止する以前、自社のユーザーがAmerica OnlineのAOL Instant Messenger経由で交換するファイルを暗号化できる手段を提供していた。この結果、個別の著作権侵害について運営者側の知り得るところではなくなるため、ネットワーク上での不法なファイル交換を取り締まる義務は免れるというのが運営者側の言い分だった。

　しかし同控訴裁はこうした手法について「意図的に目をそむける」ものだと指摘してこの主張を退け、Madsterに対して下級審が言い渡したサービス停止の仮処分命令を支持する決定を言い渡した。これによって、ファイル交換ネットワークにプライバシーを持ち込もうとする取り組みがくじかれる可能性がある。

　同控訴裁は23ページにわたる決定の中で、「自分が問題のある行為に関与していると認識、あるいは疑念を抱きながら、そうした行為の性質と及ぶ範囲について完全あるいは確固たる認識を持たないようにするための手段を講じている人物は、犯意があると見なされる」と指摘している。（ZDNet）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030702-00000023-zdn-sci