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2003年07月01日(火) 16時21分

<たばこ>1箱20円値上げ 狭まる喫煙者包囲網毎日新聞

 たばこ増税に伴って1日、ほとんどの銘柄が1箱20円値上げされた。厚生労働省内には、全面禁煙の喫茶店がオープン、東京都豊島区では公共施設が禁煙となった。今年5月の健康増進法施行以来、愛煙家は肩身が狭くなる一方で、たばこ離れは一層進みそうだ。

 東京・霞が関の厚生労働省には1日、大手コーヒーチェーン「ドトールコーヒー」が全席禁煙のコーヒーショップをオープンさせた。全国にある約950店のうち、成田空港の出国ゲート内に続いての全席禁煙店。同省の意向を受けての禁煙だが、同じ1階フロアに同時オープンした「アートコーヒー」では、「たばこが吸えないのはおかしい」との意見も配慮し、全席で喫煙可能だ。

 この日、ドトールを利用した厚労省職員、山田陽子さん(30)は「たばこは吸わない。この店だと飲食する時にたばこの煙で嫌な思いをしないで済む」と歓迎。1階フロアにある喫煙所でたばこを吸っていた東京都中央区の滑良雅也さん(38)は「たばこが値上げされ肩身が狭くなるばかりだが、吸っていて嫌な目で見られるよりは、分煙の方が良い」と話していた。

 東京都豊島区はこの日から約200の公共施設を原則的に全面禁煙にした。区役所の一部や文化ホールなどは「出入りする人が数千人と多い」との理由で分煙とした。

 東京都千代田区では、昨年10月に施行された路上喫煙などを禁止した「生活環境条例」に基づき、過料(現行2000円)の徴収を行っている。ポイ捨てが減り、区は「一定の成果を上げている」と評価する。

 同区では、秋葉原や水道橋などを路上喫煙や吸い殻の投げ捨てなどを禁止する重点地区に指定している。秋葉原地区内での調査では、吸い殻は条例施行直後は1日平均約30本あったが、1カ月後に過料徴収を始めてからは同6本と激減した。

 同区は、こうした実績から、指定地区の拡大を検討中で、8月初旬にも東京駅周辺を追加する方針だ。

 これに対して、日本たばこ産業(JT)は、今年1月、区内に独自の喫煙所を設置した。同区のホームページなどに寄せられるたばこに関する声のうち約3割が「喫煙所を設けてほしい」など、喫煙支持側の意見という。

 喫煙派は、たばこがいくらになったら買わなくなるのかを調査したアンケートがある。厚生労働省所管の研究機関「医療経済研究機構」(東京都千代田区、宮沢健一所長)が01年、全国の20歳以上の喫煙者2420人(回答者2105人)を対象に実施した調査だ。

 それによると、1箱300円の場合に「やめる」と答えたのは16・2%、「本数を減らす」が35.3%だった。500円に上がった場合に「やめる」は42.2%、1000円では63.1%だった。逆に、1000円でも「同じ本数吸い続ける」と答えた「愛煙派」は6.8%だった。

 1日のたばこの値上げを受けて、愛煙家の中には苦い表情を浮かべる人もみられた。

 大阪・ミナミのパチンコ店前に並んで開店を待っていた主婦(51)は前日、1カートン(10箱入り)を買いだめ。「値上げの度にタバコはやめなあかんと思てるけど、実際はできない。増税で庶民の楽しみを奪わんといてほしい」

 大阪市浪速区のジャンジャン横丁にある「大西たばこ店」では30日まで、5カートン前後を買いだめする客が目立ったが、1日朝は、ぱったり。経営者の妻の大西きみ子さん(50)は「いつも機嫌よく買いに来るお客さんが、今日はまだ見えない」と少し不安げだった。

 比較的大規模な葉タバコの専業農家が多い鳥取県。堀尾貞夫・同県たばこ耕作組合参事は「値上げをきっかけにした禁煙が、巡り巡って葉タバコの価格に影響するのでは」と心配する。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030701-00001063-mai-soci