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2003年06月30日(月) 03時11分

<不動産登記電子化>権利証を廃止へ 代わりに識別番号を交付毎日新聞

 法務省は、不動産登記のオンライン化に伴い、登記完了時に所有者に発行している土地や建物の権利証(登記済証)を廃止し、十数けたの数字やアルファベットから成る電子情報(登記識別情報)を交付する方針を固めた。来年度中の実施を目指す考えだが、国民の貴重な財産がインターネット犯罪の対象になる可能性が高いため、省内からも「見切り発車は危険」と不安の声が上がっている。

 不動産登記のオンライン化は、インターネットで行政手続きが可能になる電子政府計画の一環として、昨年12月に成立した電子政府関連3法に盛り込まれ、実施が既に決まっている。売り主、買い主(司法書士ら代理人も含む)が登記所に出向いて行う現在の登記に加え、インターネットを通じて登記を完了させるシステムも導入する。本人に成りすまして虚偽の申請を行う犯罪の防止策が、焦点になっていた。

 オンライン登記では、すべてを電子情報でやり取りするため、文書の権利証を交付できない。代わりに登記が完了したら、登記所側が登記識別情報を割り当て、所有者に送信する。所有者はこの識別情報をダウンロードしてパソコンなどで保管し、転売する際はこのデータを添付してオンライン申請する。

 ネット犯罪を防ぐため、登記所からの通信は暗号化し、紛失した場合は再発行せず、郵送など別の手段で所有者確認を行う。しかし、通知の際に情報がインターネットを経由するため、法務省職員の間で「技術的には情報をかすめとることが可能。接続業者(プロバイダー)と組めば、入手の危険性はさらに高まる。完全なセキュリティシステムが構築できるのか不安」との声が出ている。

 現行の窓口申請も受け付けるが、権利証の廃止に伴い、登記識別情報が記載された通知書を発行する。第三者が通知書を入手すれば、ネット上のかすめ取りと同様、不正アクセスが可能になる。

 法務省はこうした方針を週内にも公開して、国民から意見を募集する。関係団体などからの意見聴取も経て、早ければ来春の国会に法案を提出する方針だ。【小林直】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030630-00000103-mai-soci