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2003年06月30日(月) 21時42分

納税偽装の元国税調査官・上田容疑者を加重収賄で起訴読売新聞

 元国税調査官らによる納税偽装事件で、東京地検特捜部は30日、東京・芝税務署のコンピューターに虚偽の情報を入力した見返りに、現金計696万円を受け取ったなどとして、同税務署元国税調査官・上田和史容疑者(36)を加重収賄、公電磁的記録不正作出、同供用などの罪で起訴した。

 また、上田容疑者に不正入力を依頼した会社役員・長谷川昭雄容疑者(52)(東京都港区)ら4人を贈賄と公電磁的記録不正作出、同供用の罪で起訴した。

 贈賄側でほかに起訴されたのは、歯科医師・阿比留隆仁(46)(目黒区)、行政書士・生田目洋文(54)(港区)、建築業・杉崎和彦(37)(神奈川県横須賀市)の3容疑者。

 起訴状によると、上田容疑者は2000年8月から今年5月にかけ、<1>長谷川容疑者が経理顧問の会社<2>阿比留容疑者の歯科医院<3>杉崎容疑者が実質経営する建築会社の源泉所得税(計1833万円)がすでに納付されたかのようにコンピューターを不正操作し、見返りに計696万円のわいろを受け取った。

 源泉所得税のデータは毎月入力することになっており、上田容疑者は計52回にわたって不正入力し、その都度、本来納めるべき源泉所得税の4、5割を贈賄側から受け取っていた。

 わいろの受領回数は54回にわたり、総額は計696万円に上った。不正入力をしたが、約束の30万円を受け取っていないケースもあった。

 上田容疑者は受け取ったわいろを、消費者金融などへの借金の返済に充てていたという。

 一方、特捜部の調べでは、上田容疑者は贈賄側に税務調査が入った場合に不正が発覚しないよう、芝郵便局のスタンプを偽造し、偽の源泉所得税領収書計74通を作成して、長谷川容疑者らに渡していた。また、芝税務署のコンピューターシステム内の全納税額が変わらないように、正規に源泉所得税を納めた会社の税額を減額するなどの改ざんもしていた。

 さらに、芝税務署管内に本支店がない会社のデータは操作できないことから、上田容疑者は、会社が横須賀市にある杉崎容疑者から不正入力を依頼されたときには、同社の支店が芝税務署管内にあるようにデータを改ざんしていた。

 上田容疑者は、税金の徴収を装って港区内の会社役員から源泉所得税約385万円をだまし取る犯行も行っており、30日、詐欺罪でも起訴された。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030630-00000215-yom-soci