未払い賃金立て替え７０倍厚労省まとめ（東京新聞）

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2003年06月29日(日) 00時00分

　国が二〇〇二年度に実施した労災保険からの未払い賃金の立て替え払いが、バブル経済時の一九九〇年度の約七十倍に激増していることが、二十八日までの厚生労働省のまとめで分かった。

　立て替え払い制度は、倒産のため賃金がもらえない労働者を救済するため、七六年度にスタートした。

　厚労省によると、バブル経済時までは増減を繰り返し、九〇年度は好調だった経済を反映して、立て替え払いの総額が約六億九千万円と過去最低だった。しかしその後は増え続け、失業率の悪化が深刻になってきた九七年度に百億円を突破し、〇二年度には約四百七十六億四千万円に上った。

　労働者一人当たりの立て替え払いの金額は〇二年一月に引き上げられ、四十五歳以上では上限額が二百九十六万円となっている。

　国が立て替えた賃金は、倒産した企業から回収することになっているが、実際に回収できるのは二割程度にとどまっているという。